映画『僕達急行~A列車で行こう』

先日、木場の109シネマズにて『僕達急行~A列車で行こう』を鑑賞した。
主演は瑛太、松山ケンイチ。森田芳光監督の遺作である。



■鉄ちゃんじゃなくても気軽にどうぞ

鉄道オタク、いわゆる「鉄」がモデルということでもっとニッチなところを想像していたが、意外と話にはついていける。

2人が同性愛者のようで気持ち悪いという意見もあるようだが、男子二人で旅に行ったり遊びに行ったりすることの多い僕には、そこまで奇異に映らなかった。
ま、二人でゆで卵をぺちゃぺちゃ食べているのはどうかと思うけど。

それぞれの主人公に、趣味、仕事、恋と様々な世界があり、また、それが有り得ないような線で繋がっていく。要するに、どこで繋がるかわからないから人間関係は大事にしておくに越したことはない、ということである。

■京急ドレミファ

演技面でいうと、瑛太と松山はさすがの演技派だけあって、聞いているこちらが恥ずかしくなるような喋り口調でもそれなりに決まる。特に、普段の会話から鉄モードに入ったときのスイッチの入り方。好きなものに目をキラキラさせる人ってあんな感じだよね。

筑後社長を演じるピエール瀧、あやめを演じる松平千里も良かった。ピエール瀧、博多弁はやや胡散臭くて「よかねー」を連発しているけど、憎めない。松平千里は健康的な武井咲という感じ。

モーター音や車輌製造元など、細かい話題も出てくるが、井の頭線の各駅停車に適する車両だとか、宇都宮線が朝一番で入ってくるだとか、「京王線なら競馬場線、京急なら大師線」だとか結構首都圏の人間なら馴染みのあるレベルまで落としてくれている。

この舞台の一つとなる京浜急行。僕は京急沿線住民じゃなかったけど、蒲田、六郷土手、神奈川新町と、要所のシーンを固める駅に京急が出ているのはほっこりする。そして、コダマ(瑛太)の着メロ。京急ユーザーではない僕でも覚えているドレミファの発車音。鉄道マニアじゃなくても結構わかる人はわかるんじゃないかな?

以前観た森田監督の作品で言うと、『間宮兄弟』に似ているかな。悪役は誰も出てこないし、頑張っていれば報われる、が基本線。その中に少し甘酸っぱさもあって、男同士が語り合い、ともに行動し、また夢を語る。

現実味はあまりないんだけども、扱っている鉄道がリアルだからこそ、不思議な感覚。

僕が神奈川の人間なので首都圏の電車名を多く出しましたが、福岡も物語を構成する上でかなり大きな割合を占めるので、福岡に精通する方も楽しめるんじゃないでしょうか。

うきうきする映画だった。評価は★★★★☆。

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