映画『同じ月を見ている』

こんばんは。

昨日、映画『同じ月を見ている』を鑑賞。窪塚洋介主演、深作健太監督。2005年。
原作は土田世紀のコミックス。

原作は知らないので予備知識ゼロでの鑑賞。心臓病を患う恋人・エミ(黒木メイサ)を救うため医者になったテッちゃん(窪塚)の前に、刑務所を脱獄した二人の幼馴染・ドン(エディソン・チャン)が現れ、三人の回顧録と並行しながら物語は進んでいく。
■悪くはないけど浅薄
感想からいえば、非常に焦点がぼやけた作品で、場面や人物に存在理由が通っていなかった。
恐らくドンがあまりにも純粋であるが故に、テッちゃんはエミを奪われるのが怖くて、だからこその作品上の態度であるのだろうけども、それはあくまでも僕ら見る側の推察に委ねられていて、しっかりとストーリーで理由が紡がれていない。
ドンが山形の寺に身を置いた描写もよくわからないうえ、そこの住職に世話になっている少年のバックグラウンドも描かれていないので、いよいよただの生意気なガキにしか見えてきませんでした。言葉は悪いけども。
病院のくだりや、エミの実家の山火事事件のダブり描写など、不必要なシーンが散見されたので、そこを省いてキャラクター構成に時間を割いて欲しかった。
あとは終盤の展開があまりにお涙頂戴で白けてしまいました。あれは駄目です。僕は。
さて、主役の窪塚は転落事故以来の出演だったようですが、『ピンポン』『ストロベリーオンザショートケーキ』『池袋ウエストゲートパーク』と比べると、自らの役を少し傍観しているかのような空気を感じました。
もちろん配役のキャラクターもあるでしょうが、どうも演出と同じく浅薄な印象。
エディソン・チャンは初めて見た、というか名前を知りましたが、この人とキーパーソンで出てくる山本太郎が唯一良かった。
チャンは口数が少なく、また苦しい環境で育ったドンを上手く演じていて、僕も彼の演技が織りなすドンの人物像をスッと消化できました。あとは、彼が絵を描く時の芸術家としての顔が鬼気迫るもので、それも感心。
山本太郎は状況による目や口の使い方がとても細かく、人間味のある組員としてこちらも安心して見られました。
ということで、良いところもあったのだけど、残念ながら「惜しい」の域まで達していない作品。
一緒に観た弟は重い作品だねと評していたけど、僕には薄い作品だねという感想がしっくりきます。
評価は★★☆☆☆。

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