映画『SPEC〜結〜爻ノ篇』

こんにちは。
昨日『SPEC~結~爻ノ篇』を鑑賞。
おさらいになりますが、僕はドラマから追いかけている作品です。
2013年公開『SPEC~結~漸ノ篇』
『SPEC~スペシャルドラマ零~』
2012年公開『SPEC~天~』
2012年放送『SPECスペシャルドラマ~翔~』
■壮大な大風呂敷
一年前に鑑賞した『天』は酷かった。
二週間前に観た『漸』は良かった。
そして、完結版『爻』はまた、残念だった。
結局『翔』あたりから広げ始めた大風呂敷は穴ぼこだらけで、回収すらも上手くいかなかったということ。
前シリーズで有村架純演じるミヤビちゃんが荒廃した東京で、野々村係長の遺言書を読む描写があるのは果たしてなんだったのか。
果たしてファティマの預言だの、御前会議だの、シンプルプランだの、ガイアだのとスケールを広げる必要はあったのか。
物事を理解しようとして鑑賞する人には全くもって理解できないと思われる。僕も理解はできない。
ただ、『翔』から僕の中によくわからないことを許容する免疫ができてきたので、Yahoo映画のレビューのように金返せとまでは言わない。よくわからない、というか理解しようと思わないようにすることにしたし、なおかつ、公開直後に足を運ぶのだから。ある程度こういうことになるのは予想していたし、それを作品への興味が上回ったという話。
だから、SPECのファンだから、そこまで低い評価は付けない。ここまで興味を刺激してくれたのだから。先に言っておけば評価は★★★☆☆である。
裏切られてもついつい、見るために足を運んでしまう。出来の悪い我が子のようで、でも、楽しい時のツボにはまった快感が忘れられなくて。僕が好きなどっかのクラブと似ていますね。
■SPECの魅力とは何だったのか?
■殺し合い?違うでしょ?
さて、完結編の内容評価。
ネタバレあります
ここからは本当に、観た人によって違うと思うから僕の戯言として感想文程度に見て欲しい。
尺はまたしても90分程度。
今回は逆効果。ワンシーンがダラダラと長く、はっきり言って向井理がシンプルプランやガイアの意味について何たらかんたらと説明するのが大半を占めた。
あとは過去の回想とエンディング。
漸の篇と二つに分ける必要性がなかったという意見も一理あります。
結局、ドラマの最終盤から散見されていたバトルシーンの数々は、『天』あたりから作品の主軸を担うほどまでに肥大化していった。
簡単な邪推をすれば、
映画版が決まりましたよ、
じゃあ映画ではスケールを大きくしようか、
預言や先人類、世界の浄化という概念も入れてみよう、
SPECホルダーはもっともっと凶暴な奴にしよう、
と作り手側が畳むことのできない大風呂敷を無為に広げてしまったということでしょう。
向井理や大島優子の言っていた、欲望にまみれた人間たち、ということに対しては異論はない。異論はないけど、みんなが観たかったのはそんなスケールの大きな話?
『天』から通じて、お客さんはそこそこ笑っていた。『爻』でもSPECホルダーの仲間たちが当麻の元に集結したあたりで、彼らのコメントにクスクス笑いが起きていた。それは、みんなが彼らのことが大好きだから。
隣で6人くらいの女性グループが観てたけど、登場に文字通り、身を乗り出していた。
ドラマ版の切れのよいカットと、当麻、瀬文を中心としたシュールなやり取り。SPECホルダーとの闘いは、肉体的なものではなく、謎を暴くのが主眼。
それが映画になってみたらどうだ。
SPECホルダーはどんどん強くなってボスキャラ化して、冷泉やウンノ医師の時のような感情も僕らは何も抱かなくなった。
瀬文はいつも満身創痍でボロボロで、当麻は当麻でSPECホルダーとしての呵責に苛まれていて。そうじゃないんだよ。
みんなが観たかったのは、餃子女と筋肉馬鹿の掛け合いであり、世界の暴走だとか、それにまつわる首脳会議とか、そんなことじゃないんだよ、と。
僕が『漸ノ篇』を楽しめたのも、野々村係長を中心に、SPECオリジナルの息遣いが確かに存在していたから。
水芸女とのバトルシーンもドラマ時代に近くて良かった。正直、バトルはあれくらいでいいし、あんまり傷ついて欲しくない。
■あんな瀬文は見たくない
もはや、何のためにとか、どうしてあの時とか、理由を求めていたらキリがない作品になってしまったことは分かっていた。だからそこらへんについては高評価も低評価も下すつもりはない。
けど、なぜSPEC劇場版をファンは見にくるのか、ファンが支持する理由を製作サイドはもう少し学ぶべきだった。
大ヒットするドラマには名ゼリフが付き物だけど、SPECに関してはやっぱり未詳の面々がそれに値するわけで。当麻のマシンガン罵詈雑言と瀬文の「は?刑事魂舐めんな」。
笑かすだけではなくて単純に二人を中心とした構成をもっと見ていたかったのだけども。それぞれ独立していたからね。
エンディングはかなり苛々した。当麻が浮遊している所はともかくとして、瀬文が刑事たちにリンチされているシーン。あれは一番酷い。あんなの誰も見たくない。刑事が刑事を殺したことに対しての見せしめにしても酷すぎる。何故ああなった。
主題歌もどうして「波の行く先に」じゃなかったの?
SPECを愛する全ての方々へ、とかいう割りに、ニノマエをはじめとして今まで貢献してくれたレギュラー陣は顔見せ程度。
もう少し見せてくれても良かったんじゃない?ミヤビちゃんだってそうだよ。ザコキャラの御三方刑事だってそうだよ。
役者でいうと、Yahoo映画レビュー欄でボロカスに罵られている大島優子は、彼女には非はないと思う。
AKBだから非難してもOKみたいな風潮があるとすればそれこそ大島優子が言っていた「何かと差別、差別、差別!」でしょう。
向井理も演技には満足。
ドラマから続いたTEAM SPECの皆さんはこの結末、演じていてどうだったんだろうね。戸田恵梨香が私の代表作ですとか言ってたようなのでそこが救いかな。
■3年間ありがとう。
長くなりましたが、丸三年お疲れ様でした。
依存性のあるキャラクターの立ち方には満足しています。もう設定がどうのとは突っ込む気にもなれませんのでそこは不問にしておきます。
単純に、こないだの『零』のような単発でいいので、野々村係長かミヤビちゃんに主眼を置いたスピンオフを初期設定で観たいものです。
こうやって書いていることがSPEC信者の証拠ですな。
ありがとう当麻、瀬文。
さよならを三つ星に乗せて、また会いましょう。
★★★☆☆。

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