映画『カケラ』〜女性が描く肉感的女性〜

満島ひかり主演の映画『カケラ』を鑑賞。
監督は安藤モモ子、共演に中村映里子。原作は桜沢エリカのコミックス。
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満島ひかりの腋毛

さくっと解説すると、彼氏と惰性でダラダラと寝ている女子大生・ハル(満島)に、喫茶店でリコ(中村)という女の子が声をかけ、したくなったらかけて、と電話番号を渡す。

だが、そのリコという女は、レズビアンであった。

繊細なテーマに踏み込んだ作品(C)2009ゼロ・ピクチュアズ

女子2人の友愛と愛情とジレンマと束縛と。

ハルは肉体関係の交際相手がいたものの、この作品において、男とはきわめて傍観的な立場での鑑賞を余儀なくされる。

そういえば一ヶ月近く前に渋谷で二度目の鑑賞をした『かしこい狗は、吠えずに笑う』も男性は7割方傍観的だっただろう。

ただし、『かしこい~』の渡部亮平監督は女の子二人の序列関係や心理面を印象的に紡いでいたのに対し、本作の安藤監督は違った。

女性目線のリアル?

「女の子は好き。柔らかくていい匂いがするでしょう」ハルとの出会い頭にリコはこんなことを言った。

その後もハルの回想するお尻を揉まれる感触というくだりや、スカートを履くか履かないか、という議論。
唇の上の産毛を剃るかいなかという議論。
彼氏に押し倒されて露わになった、ハルの腋毛。

さらにリコの仕事はメディカルアーティストという、体の一部をシリコンで精巧に作るものである。

満島ひかりは色々な表情を見せている(C)2009ゼロ・ピクチュアズ

作品全体に流れる、女性のアイデンティティと柔らかな触感。
それは官能的ではないものの、肉感的ではあった。

凄く漠然な言い方で申し訳ない。

同じ撮り方で男性監督が撮ったら、多分鑑賞した半分くらいの人は変態だと思うはずである。

というか、変態くらいの男性でなければなかなか抽出しにくい女性の柔らかさ、なのである。

この子は私の彼女よ!と人目を憚らずに言えるリコに対して生まれるハルのギャップ。

ラストシーンは見るものに結論を委ねた部分が大きかったが、鳥が群れになって空を旋回するシーンに何を思うか。それは自由だ。

ニコイチからの占有性を求めた『かしこい~』とはまた異色の作品。

★★★★☆。

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