映画『マークスの山』〜若き日のエンケン〜

95年の映画『マークスの山』を観ました。

崔洋一監督、中井貴一、萩原聖人。

マークスの山

高村薫の原作は未読。

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面白かったのはMARKSの記号だけ

まだ携帯電話もない時代の、足で犯人を追う警察を描いている。
MARKSという頭文字を持った人間たちの裏の顔と、それにまつわる殺人の流れは面白かったが、MARKSの背景にある学生運動の内ゲバ事件と彼らの暗躍を描かなくては全く映画としての形を成さないのではと思った。

萩原聖人が精神異常者の犯罪者として描かれるが、ただただ気持ち悪く、狂っている人間の表現としては上手かったのだろうが、名取裕子との関係にあまりに時間をとりすぎていた。

原作は未読なので込み入ったことは言えないが、この話で描くべきは萩原聖人よりも「マークス」だろう。
萩原は身なり、表情なども健常者とは一線を画しておりその演技は褒めるべきだが、辟易してしまった。
作り手側に逆差別があるのではと勘繰るほどには。

横暴な警察にも辟易

中井貴一をはじめとする警察軍団もまたひどいものだった。
主人公の合田を演じた中井は一匹狼を超えたただの自己チューであり、当時は許されたのかもしれないが、我々一般市民から見たら、たかが一兵卒の警官が一人でいきがり、それに対して税金を払っているなんておかしな話だと思うわけである。

まあ国家権力を勘違いしたひどい組織として描かれた警察と主人公。
精神的に倒錯した犯罪者。

原作も原作で時代錯誤のものなのだろうか。ここまでひどいと読む気すらしないが。

最後の30分くらいは早送りで進めた。
ラストシーンの山岳捜索はこだわったのかもしれないが、なんと陳腐で意味のないシーンであることか。

何を見せたいと、伝えたいと思ったのか、また果たして映画でやる意味はあったのか。

無駄ばかりが目立つ映画だった。
見所は若い遠藤憲一と西島秀俊、そして江口ナオのヌードだけ。以上。

★☆☆☆☆。

酷かった。中井貴一と萩原聖人の大ファンの方以外には薦めない。
もう一度言う。
酷かった。

小説の方はどうなんでしょうね。

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