映画『ホットロード』〜神奈川に寄りかかった駄作〜

能年玲奈主演の映画『ホットロード』(14年)。

原作は紡木たくの漫画、監督は三木孝浩。

80年台中盤の湘南の暴走族を舞台にした青春群像がテーマらしいのだが……
無理だった。
開始15分で限界。あとは早送り。
映画館で見ていたら席を立つレベルだった。

 

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神奈川の感覚

まず第一に違和感を覚えたのは作内の神奈川の地理。
主人公・和希(能年)の通う学校に横浜から転校してきたという、えり(竹富聖花)。
そのえりの先輩たちに会いに行くといって(非行の始まり)和希とえりは横浜へ。和希にとって横浜は初めての町だという。

▲和希(能年・左)を誘うえり(竹富)(C)2014「ホットロード」製作委員会 (C)紡木たく/集英社

で、結局先輩のつるむ仲間たち(暴走族)たちは湘南に集まることが多く、春山(登坂広臣)が働いているガソリンスタンドは稲村にあるという。つまり鎌倉。

そして、その鎌倉近辺の族の集まりから帰る時に和希は、住んでいる町から大して遠くないということを言う。
その後に海沿いをえりと学校をサボりながら歩くシーンもあるので、茅ヶ崎とか平塚、あるいは逗子、葉山の方か。

いずれにしても、神奈川のそのあたりに住んでいて14歳で横浜に行ったことがないわけがない。

▲湘南、横浜への安易な飛びつきが感じられる展開。神奈川出身者からすると違和感しかない。 (C)2014「ホットロード」製作委員会 (C)紡木たく/集英社

そしてそして、えりの先輩なるヒロコさん(太田莉菜)が横浜からタクシーで「湘南に」と告げる。
タクシーで指示するなら普通地名を言うはずで、「湘南」なんて言い方はまずしない。僕らの感覚なら、まずしない。
当時はそれほど「湘南」という響きが持て囃されていたという描写だろうけど。

もう序盤のこのシーンで熱が削がれた。

ダサい、さらに…

86年に連載していた漫画である。設定は古くて然るべきだろう。
携帯電話がないという絵は意外と新鮮味があったものの、他に時代を感じさせるのはスカートの長さとクルマ程度である。

孤独な少女が非行少女になって暴走族の幹部と付き合い、仲良くワイワイやってますよ。そんなベタベタの「ヤンキー風少年に憧れる女子」を現代風の絵に落とし込んだのだろうか。
キャラクターの服装や髪型からは昭和感は見えてこなかった。

▲昭和感があまり見えてこないわりにセリフや喧嘩がかっこ悪い…役者の大根演技が拍車をかけた (C)2014「ホットロード」製作委員会 (C)紡木たく/集英社

その割にセリフや喧嘩の仕方がダサい。

まあ設定もかなりずさんではあったが置いておく。

ずさんな設定をカバーするどころか傷口を広げていってしまったのは役者たち。

能年玲奈、14歳?嘘でしょ?
登坂広臣、16歳?嘘でしょ?
能年はキャスティングが決まった時に少しニュースになったので覚えているんだけど、残念ながら全く不良らしさも、不良男子の気をひくだけの影や華もない。

能年玲奈という人間は好きだと前置きした上で言うが、出演していいレベルに達していなかった。登坂よりも酷かった。
その登坂も初めて観たけど所詮LDHのレッテルを貼られるだけの水準でしかなかった。
ちなみに暴走族の前リーダー役で鈴木亮平が出ているが、こちらも微妙。

和希の母親を演じた木村佳乃もどうしようもなかった。
色々問題を抱えた母親だったようだが、精神的に壊れているのかなという棒読みの数々。会話が噛み合っていないという以前に心ここに在らずって感じ。

該当する年代の方や、バイク乗りの彼氏に憧れる女子はいいのかもしれない。
ただ僕は共感度ゼロの上に、大根演技とくさすぎるストーリーに辟易した。

今年観た中で最も酷い作品。
0点。
☆☆☆☆☆。

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