『君の名は。』を再び観てきました。
お客さんは郊外のシネコンの平日午後で15人くらい。
初回の感想はこちら。
2回目も最高!
2回目なので最初のシーンから逆算を意識して鑑賞した。
深く味わいながら観れたという点で、やはり再訪して正解だった。
時間軸の整理も自分の中でできたし、少し整合性のとれていない箇所に関してもフィクションだから良いと思う。
僕はこの作品に自分の置き換えを求めないし、評価している作品のリアリスティックな部分はフィクションだからこそ際立つと思っている。
男女の入れ替わりという点で、アニメだからこそもっと細かくエグい描写もできたのかもしれないが、それをしなかったのは良い引き算。
これから見る人に向けていくつか注目してほしい、細かい点を箇条書きにて。
ネタバレにはならない細かいところ。
扉
JRに乗っている描写がよく出てくるが、電車のドアが閉まる「プシューッ」を始めとして扉の開け閉めがシーンの切り替わりとして上手く効いている。
引き戸の移動方向や角度にも注目してみていただきたい。特に意味はないと思うけどあのアングルは実にリアル。
ついでに都内で電車に乗る人は、作中の駅についても注視すると面白いと思う。駅の発車音とか。
神木隆之介
初見時はCVを気にする暇もなかったが、今回は神木くんが主人公・瀧くんを演じているのを少し意識して鑑賞。
通常時も彼らしさは出ていたんだけど、入れ替わったときの声が頑張っていて凄く良い。
どんな表情で収録してたのかな?と思うくらいには良い。体よじらせて…なんてことはないか。
なお上白石萌音は抜群。初回時よりももっと三葉に惚れた。
体感時間
これはキーワードというよりも個人的な感想なんだけど。
始まって、歩道橋から瀧が三葉に電話をかけるシーンまでがとても長く感じる。
その長さは退屈だからじゃなくて、とっても濃いから。
たくさんの情報量と伏線を受け取って、二人の日常や美しい背景描写に思いを馳せつつ推測を少しばかり。
濃度というか密度というか、見る人の感受性にも脳の思考にもダイレクトに働きかけてくる。
多分物語としては序盤で、実際僕もここで一息入れて時計見たら「まだこれしか経ってないのか…」って感じ。
面白くて時間が経つのが早い映画もあるけど、『君の名は。』の序盤は面白いからこそ時間が経つのが遅い。
この感覚は僕はなかなか味わったことがなかったので新鮮だった。
一人で見に行っても楽しめるけど、複数人で行って帰り道にあれこれ喋るとより面白いんじゃないかな。
僕は2回とも一人で見たけど、近いうちに誰かと見に行きたい。
多分見るのが何回目とか関係なく、受け取る衝撃の瑞々しさは同じだと思う。
ちなみに、男女が入れ替わるあべこべ手法のパイオニア的存在が『転校生』。
ご存知ない方は良かったらどうぞ。
『君の名は。』
回し者みたいであれですが、良いものは良いです。
絶賛公開中!のラベルが貼ってあったけど間違いなく僕も賛辞を送る一人です。