映画『舟を編む』感想〜用例採取カードの再現が嬉しい〜

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今回は三浦しをんの小説を原作とした『舟を編む』を鑑賞。
石井裕也監督。松田龍平、宮崎あおい。

フジテレビでアニメも放送されましたね。

『舟を編む』のスタッフ、キャスト

監督:石井裕也
原作:三浦しをん
脚本:渡辺謙作
馬締:松田龍平
香具矢:宮崎あおい
西岡:オダギリジョー
みどり:黒木華
荒木:小林薫
松本:加藤剛

あらすじ紹介

玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし……。

出典:シネマトゥデイ

原作は後読みの方が良いかも

辞書編集部の編纂の流れだったり、いわゆる”舟を編む”作業に関してはよく再現できていたし、観る人がわかりやすくて興味を持ちやすい構成だったと思う。
原作のシナリオも特に壊すことなく再現していて、仕事についての描写はおおむね納得。

あと予想された馬締と香具矢のラブシーンは拍子抜けするほどに皆無だったのでそこは加点ポイントでもあり減点でもあり。少し物語として平板になってしまったかなと。

一番腑に落ちなかったのは、原作を読んだ次の日の鑑賞で自分の中でのイメージ付けが強かったこともあったけど、自分が小説を読んで感じた物語のヤマの部分と、映画で見せたいと作り手側が思ったであろうシーンが重ならなかったこと。これはしょうがないことでもあるし、原作のイメージ付けを施しすぎてしまった僕が悪い。

でもそんな勝手な僕が勝手な感想を述べることが許されるならば、映画版は少なくとも3つ、琴線に触れた小説の部分を逃している。

前に『容疑者Xの殺人』を観たときも同じような感覚に陥ったけど、原作を読んでキャラクターをイメージ付けしてしまうのは僕の悪い癖かもしれません。

原作を読まずに映画だけ観たという同僚は非常に良かったと言っていました。
僕は、もう一度観たいとまでは思えない作品でしたが、原作云々のフィルターをかけずに観ればもっと面白いのかもしれません。

繰り返すけど、編集の仕事ぶりは本当にわかりやすく描かれていた。原作にも出てくる用例採取カードとは何か。また、赤字(抜け)が一つあっただけでどれほどの労力を費やして再確認に入るのか。
人の手でやっているからこそ感じられる辞書編集部の苦労はきっちりと再現している。

原作読まなくても十分理解できます。
後読みの方がいいかも。