映画『名探偵コナン 世紀末の魔術師』感想|ロマノフ王朝を学ぼう

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99年のコナン映画『世紀末の魔術師』を鑑賞。
こだま兼嗣監督。

『世紀末の魔術師』のスタッフ、キャスト

監督:こだま兼嗣
原作:青山剛昌
脚本:古内一成
江戸川コナン:高山みなみ
工藤新一/怪盗キッド:山口勝平
清思青蘭:藤田淑子
毛利蘭:山崎和佳奈
香坂夏美:篠原恵美
毛利小五郎:神谷明
灰原哀:林原めぐみ
吉田歩美:岩居由希子

あらすじ紹介

 小さな体となってしまった小学生探偵コナンのミステリーアニメの劇場第3弾。今回は原作でも人気のある”怪盗キッド”も登場。怪盗キッドから警視庁にある犯行予告状が届く。キッドが狙うものはロマノフ王朝の秘宝“インペリアルイースターエッグ”。早速コナンらはエッグのある大阪へ移動。予告通りキッドは現れ、エッグを盗まれてしまうが、ハンググライダーで逃走中にキッドは何者かに撃たれてしまう。そして現場に落ちていたものは怪我をした白いハト、キッド愛用の片眼鏡、そして盗まれたエッグのみで彼の姿はそこにはなかった…。

出典:allcinema

以下、感想部分で作品のネタバレや展開に触れていきます。未見の方はご注意ください。



劇場版コナンの王道

何度も金曜ロードショーやケーブルテレビなどで見ていた作品だったけど、レビューはしていなかったので今回huluで再鑑賞。
平次と和葉、園子、中森警部に始まり、怪盗キッドとコナンたちが謎を解いていくコナンらしい作品だねと改めて感じた。

この作品は劇場版第三作目なので王道というよりは、今後の王道となるレールを作っていった映画だと思う。

バーローおいおい…と、コナンくんの頻出語もしっかり登場。

ちょっと作画が不安定なところも懐かしくて良いし、コナンと新一の関係を疑う蘭姉ちゃんの憂えた目とキッとした目つきがとても良い。
蘭姉ちゃんは小五郎のおっちゃんとともにただの取り巻きでセリフも少なかったけど、語らずして光る存在感。

あと何だかこの頃の蘭姉ちゃんはいやに発育が良いですね……

もうひとつ。
哀ちゃんとコナンのコンビネーションも、場面が少ないながらもばっちり。

お城の前で二人が話す背中を見つめる蘭姉ちゃんの厳しい視線がたまらない。

哀ちゃんに関しては、元太、歩美、光彦の三人が「灰原って少年探偵団の仲間だよな?」とコソコソ話をしているのを嬉しそうに聞いていたり、小五郎のおっちゃんにタラタラすんなと牽引したり。

出番自体は多くないものの、局所で哀ちゃんらしさを強く凛々しく発揮していた。

コナンで紐解くロシアの歴史

インペリアル・イースターエッグとロマノフ王朝を題材にした本作だが、歴史的に実在するものを怪盗キッドが狙う宝物という視点にすることで、子供たちにもわかりやすく描かれていると思う。

僕自身も小学校から何度も観てきたが、歴史的な見方を交えたのは今回が初めて。

小学生ではまだ難しいかもしれないけれど、映画を観てから社会の資料集や教科書などでロマノフ王朝の簡単な成り立ちを勉強するときっと楽しいんじゃないかな。

たぶん勉強って、自分で調べるのが一番頭に入るし、そこからの知識の広げ方も捗るから。

君はまだ疑うことなく

今年公開の『から紅の恋歌』を観て百人一首に興味を持つでもいいし、意外とそこら中に勉強を楽しむ素材は転がっていると思う。

アニメや映画の題材になるということは、のちのち役に立つ知識になるということ。
ラスプーチンに「世紀の大悪党」程度の印象しかなかった小五郎のおっちゃんを超えるくらい、この映画を観た子たちにはラスプーチンやロシアの歴史に興味を持ってもらえたら素敵だと思う。

何度見ても、コナンが色々な人の声を使って真犯人を追いつめるシーンはかっこよくて痺れる。

登場人物の範囲や射殺パターンも好きな作品。小松未歩の謎を歌う少年探偵団が最高に可愛い。

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