2017年は35本の映画を新規に鑑賞しました。
過去3年に引き続き、個人的なランキング10傑を発表したいと思います。
この年はなかなか選ぶのが難しかったです…!心に突き刺さり、涙がこぼれる映画が多かったのは僕の歳のせいでしょうか……
生活が変わり、家で観ることが少なくなりました。独断ですがお付き合いいただけると幸いです。
2016年の10選はこちら
2015年の10選はこちら
2014年の10選はこちら
(作品名から記事リンクに飛びます)
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哀ちゃんの名セリフがランクイン
10位
名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌
2006年、山本泰一郎監督、高山みなみ
いつになくイケメンな毛利小五郎、いつになく(服装が)ダサい服部平次とともに推理という名の捜査をするコナンくん。
足を使って動いていくスリリングな展開は実に見応えがありました。
でも、この作品の見どころは何と言っても哀ちゃん!
遊園地の救護室で口にしたあの言葉に、僕はもう!!
理性が吹っ飛びました!!!
クリーピー 偽りの隣人
2016年、黒沢清監督、西島秀俊
警戒していたはずの隣人に、妻がマインドコントロールされる恐怖。香川照之の演じる西野がとんでもなく恐ろしいです。
原作とはだいぶ異なるようですが、心理的にも視覚的にも凄惨な犯罪。まごうことなき凶悪犯罪です。
人間は支配下に置かれて狂うとどうなってしまうのか。北九州殺人事件との類似性も見てとれました。苦手な人はご注意を。
名探偵コナン から紅の恋歌
2017年、静野孔文監督、高山みなみ
本年の劇場版コナン。百人一首をテーマに、平次と和葉の最高のラブコメに仕上がっています。
和葉の恋敵役として出演する紅葉のキャラクターも秀逸です。コナンにおいて巨乳をフィーチャーするのは凄く珍しいのでは…?
女性キャラクターのプライドと清々しさ。それを一歩引いて眺めるコナンや蘭の目を通じて描くことで凛々しさが引き立ちます。メインキャラクターの「内側」の展開が多く安心感も。
転校生〜さよならあなた
2007年、大林宣彦監督、蓮佛美沙子
1982年の小林聡美が主演した『転校生』のリメイク版。あべこべ手法のパイオニアとなった元祖を踏襲しながら21世紀風にしています。
現代に落とし込むには少し無理な描写もあり、何と言っても時代錯誤きわまりない言葉遣い。この不適応感がたまらなくツボでした。
当時15歳の蓮佛美沙子には色気がなく、まさに少女。その中に入っているのは中学生のガキ男子。無垢な青さがとても気に入りました。
『ここさけ』実写も良かった…!
6位
美女と野獣
2017年、ビル・コンドン監督、エマ・ワトソン
吹き替えで鑑賞しました。
野獣の描きこみがとても丁寧で、心情描写が上手。山崎育三郎の少し遅れ気味に出るセリフも野獣の葛藤を表現しています。
この作品で使われている特殊技術がアンティークに生命を吹き込み、人間が物体をまとう形で感情を持っています。それが薄れていく様は必見。明かりの使い方がとても上手でした。字幕も観たい。
ポケットモンスター キミにきめた!
2017年、湯山邦彦監督、松本梨香
ポケモンの劇場版20周年を記念した作品です。
アニメの第1話の焼き直しではなく、パラレルワールドと思って鑑賞するのがオススメです。
アラサー世代のいわゆる「ポケモン赤・緑」世代には突き刺さるノスタルジックな設定と名シーン、そしてBGM。
加えて新キャラクターと次世代のポケモンが出てきます。
尺が短いので矢継ぎ早でしたが、本気で泣きました。
心が叫びたがってるんだ。
2017年、熊澤尚人監督、芳根京子
2015年に公開された劇場版アニメの実写版。ストーリー、映し方、キャラクター。全てにアニメ版へのリスペクトを感じます。
※レビュー記事はネタバレが多いので未見の方はご注意ください。
アニメで鑑賞した時の衝撃、新鮮さが三次元になっても損なわれていません。
とりわけ田崎を演じた寛一郎が抜群でした。
ある部分を潔くカットしてファンタジー要素をなくしたのも正解。
お酒、戦争、隣人部
トップ3の発表の前に、圏外の良作を紹介します。計3作品。
2017年、湯浅政明監督、花澤香菜
森見登美彦の原作小説がとても好きで、完成時から楽しみにしていました。
絵のタッチが苦手とか、「先輩」のキャラが微妙に薄いとか、そんなことはどうでも良くなるくらい乙女が凄い。
そこにお酒がある限り!
お酒を愛し、お酒に飲まれ、お酒を飲み干していく最強の乙女。
共感する酒飲みの方は多いのでは?
2016年、片渕須直監督、のん
戦争映画にありがちな押し付けがましさ、悲壮感が、この世界にはありません。
戦時中の変わらぬ日常。
ニヘ〜ッと笑う、すず。
のんびりとした笑顔に、のんのゆったりとした声がよく似合います。
絶望や生への執着もなく、こちらの同情を誘う描写がない。
あの時代の真実を描いた良作だと思います。
僕は友達が少ない
2014年、及川拓郎監督、瀬戸康史
「友達が欲しい」
必死に思うけど、なかなかつくるのは難しい。
そんな高校生たちが見つけた、放課後の秘密の場所。
バーチャルを用いたパラレルワールドの使い方も圧巻でした。
部室は孤独な高校生たちのシェルターといったほうがいいのかな。
恋愛も勧善懲悪も青春も存在しない不思議な作品。
それでは、トップ3の発表に移ります。
明日、今日よりも好きになれる
3位
ビジランテ
2017年、入江悠監督、桐谷健太
「容赦しない運命が暴れ出す」というキャッチコピーのもと、埼玉の片田舎の兄弟たちを翻弄するさまざまな圧力。
もう皆さん素晴らしかったですけど、桐谷健太の演技が凄まじかったです。
スクリーンを隔てても伝わってくるあの痛みに、目を背けず向き合えますか?と問いかけられるような映画。
君の膵臓をたべたい
2017年、月川翔監督、浜辺美波
ボロ泣きしました。
ど直球の感動作。
「僕」と「キミ」、「私」と「キミ」。
キミ呼びの意味をこれでもかと多角的に掘り下げることで、2人の距離感とか高校生の青さとかを描き出しました。
鑑賞直後はちょっと物足りないところもあった気がしたのですが、時間が経つにつれて僕の琴線に触れてきました。
いま思い出しても泣きそう。
浜辺美波も北村匠海も、本当に最高。
1位
キセキ〜あの日のソビト
2017年、兼重淳監督、松坂桃李
GReeeeN世代としては完成前から楽しみにしていた作品。
音楽を愛でることを期待していましたが、それ以上にヒューマンドラマとしての完成度に驚きました。
愛すべき曲。
愛すべきキャラクターたち。
松坂桃李が演じたジンの無念さ、嫉妬、情熱。
夢を託されたヒデ(菅田将暉)の葛藤と無垢さ。
楽しさも友情も痛みも家族愛も全部詰め込んで、進め。俺たち。
せめて言わせて、「幸せです」と。
そう言いたくなる傑作でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。