今年公開された『美女と野獣』を吹替版で鑑賞しました。
ビル・コンドン監督、エマ・ワトソン。
『美女と野獣』のスタッフ、キャスト
監督:ビル・コンドン
脚本:スティーブン・チョボウスキー、エバン・スピリオトポウロス
ベル:エマ・ワトソン
野獣:ダン・スティーブンス
モーリス:ケビン・クライン
ガストン:ルーク・エヴァンス
ル・フウ:ジョシュ・ギャッド
ルミエール:ユアン・マクレガー
コグスワース:イアン・マッケラン
ポット夫人:エマ・トンプソン
チップ:ネイサン・マック
あらすじ紹介
進歩的な考え方が原因で、閉鎖的な村人たちとなじめないことに悩む美女ベル(エマ・ワトソン)。ある日、彼女は野獣(ダン・スティーヴンス)と遭遇する。彼は魔女の呪いによって変身させられた王子で、魔女が置いていったバラの花びらが散ってしまう前に誰かを愛し、愛されなければ元の姿に戻ることができない身であった。その恐ろしい外見にたじろぎながらも、野獣に心惹(ひ)かれていくベル。一方の野獣は……。
前評判に違わぬ、素晴らしい作品でした。
以下、感想部分で作品のネタバレや展開に触れていきます。未見の方はご注意ください。
野獣の描きこみが秀逸
91年のアニメ版映画は観たことがないものの、多分に漏れず何となくは知っているストーリー。
物語に引き込まれるか否かは美女・ビル(エマ・ワトソン)と野獣(ダン・スティーブンス)の関係性が重要だと思っていたけど、予想以上に野獣の心情描写が上手だった。
評判が字幕版と同じくらい高かったので今回は吹替版で見たが、山崎育三郎の声の表情、特にため息の使い方が素晴らしい。
ビルのことを気遣っているからこその「…ああ」など、少し遅れ気味なセリフの出し方も秀逸だった。
野獣の姿でありながら本質はどこまでも紳士。
モーションキャプチャを利用した野獣の容貌もとにかくすごかった。
EUROPEAN STYLEさんのページでVFX技術について詳しく解説しているが、これを読むと野獣役のダン・スティーヴンスの過酷な撮影環境、役者魂がよくわかる。
こんな言葉で表現してしまうのが申し訳ない。
顔は獣であっても、表情に怒りや戸惑い、憂いがしっかり出ているのもすごい。とにかくすごいとしか言いようがない。
現代の技術の高さももちろん、それを余すことなく使いこなす製作陣のセンスに脱帽。
エンドロールで改めてわかったけど野獣は役名も野獣なんですね。君の名は?
アンティークに命が吹き込まれ
特殊技術によって城のアンティークにも命が吹き込まれた。
動く時計、燭台、ティーポット……
個人的に物が擬人化(正確には逆)するのはとても気に入ったし、ルミエールなどは見方によってはこの作品の主役といってもいいと思う。
ファンタジーにありがちな
「とにかく楽しみましょう!さあ踊りましょう」
といった能天気な明るさではなくて、彼らのベースには人間の姿に戻りたいって願いがある。
単純に物体が感情を持っているのではなく、個性的な人間たちが物体の姿をまとい各々のキャラクター性を見せている。
その上でのアンティークとしての個性をーールミエールならロウソクの火というようにーー利用してるのも上手だし、やっぱり技術が凄いなと。
チップが小皿で闖入者を撃退するシーンは笑った!いいぞ!もっとやれ!
ストーリーも綺麗に収まり、野獣、ベルたちが太陽に照らされるシーンはたまらない。
そういえば野獣の登場の仕方をはじめとして、明かりの使い方も実に上手かった。映画内にメイドが少ないからこそ、燭台のろうそくやタイマツの火が生きてくる。
感動と笑いと、ムラ社会の問題と。
『GO』で指摘した区別と差別はここでも形を変えて出てきた。
個人的に、身内をアンティークに変えられた村人たちは、彼らが元の姿に戻り真実を話したらどういう顔をするのか見てみたい。
ストーリーを把握できたので次は字幕も観たいなあ。