映画『美女と野獣』〜野獣の喜怒哀楽に大喝采〜

『美女と野獣』を吹替版で鑑賞しました。

ビル・コンドン監督、エマ・ワトソン。

前評判に違わぬ、素晴らしい作品でした。

野獣の描きこみが秀逸

91年のアニメ版映画は観たことがないものの多分に漏れず何となくは知っているストーリー。
物語に引き込まれるか否かは美女・ビル(エマ・ワトソン)と野獣の関係性が重要だと思っていたけど、予想以上に野獣の心情描写が上手だった。

▲多分物語で唯一の悪役・ガストンを演じるのはルーク・エバンス(右)。 (C)2017 Disney. All Rights Reserved.

評判が字幕版と同じくらい高かったので今回は吹替版で見たが、山崎育三郎の声の表情、特にため息の使い方が素晴らしい。
ビルのことを気遣っているからこその「…ああ」など、少し遅れ気味なセリフの出し方も秀逸だった。

野獣の姿でありながら本質はどこまでも紳士。

モーションキャプチャを利用した野獣の容貌もとにかくすごかった。
EUROPEAN STYLEさんのページでVFX技術について詳しく解説しているが、これを読むと野獣役のダン・スティーヴンスの過酷な撮影環境、役者魂がよくわかる。
こんな言葉で表現してしまうのが申し訳ない。

▲野獣よ、よかったな。 (C)2017 Disney. All Rights Reserved.

顔は獣であっても、表情に怒りや戸惑い、憂いがしっかり出ているのもすごい。とにかくすごいとしか言いようがない。

現代の技術の高さももちろん、それを余すことなく使いこなす製作陣のセンスに脱帽。

エンドロールで改めてわかったけど野獣は役名も野獣なんですね。君の名は?

▲ビルはとても優しい娘。でも野獣もそれに負けず優しい奴だった。 (C)2017 Disney. All Rights Reserved.

 

スポンサーリンク



アンティークに命が吹き込まれ

特殊技術によって城のアンティークにも命が吹き込まれた。

動く時計、燭台、ティーポット……

個人的に物が擬人化(正確には逆)するのはとても気に入ったし、ルミエールなどは見方によってはこの作品の主役といってもいいと思う。

ファンタジーにありがちな
「とにかく楽しみましょう!さあ踊りましょう」

といった能天気な明るさではなくて、彼らのベースには人間の姿に戻りたいって願いがある。

単純に物体が感情を持っているのではなく、個性的な人間たちが物体の姿をまとい各々のキャラクター性を見せている。

その上でのアンティークとしての個性をーールミエールならロウソクの火というようにーー利用してるのも上手だし、やっぱり技術が凄いなと。

チップが小皿で闖入者を撃退するシーンは笑った!いいぞ!もっとやれ!

ストーリーも綺麗に収まり、野獣、ベルたちが太陽に照らされるシーンはたまらない。

そういえば野獣の登場の仕方をはじめとして、明かりの使い方も実に上手かった。映画内にメイドが少ないからこそ、燭台のろうそくやタイマツの火が生きてくる。

感動と笑いと、ムラ社会の問題と。
『GO』で指摘した区別と差別はここでも形を変えて出てきた。

個人的に、身内をアンティークに変えられた村人たちは、彼らが元の姿に戻り真実を話したらどういう顔をするのか見てみたい。

★★★★★。
ストーリーを把握できたので次は字幕も観たいなあ。

スポンサーリンク