映画『ボックス!』〜ダブル主人公の模範的作品〜

2010年の映画『ボックス!』。李闘士男監督、市原隼人、高良健吾。

原作は百田尚樹の小説。原作は未読。

ボクシングを題材にした作品であるが、ボクシングといえば先日観た『百円の恋』があまりにストイックで衝撃を受けた。

それと比べると、練習から試合に至るまで競技の描き方はチープだったと言わざるを得ない。

スポンサーリンク



準主人公の使い方が上手い

いつも通りの向こう見ずな市原隼人のキャラクターと展開、試合観戦に亀田興毅が登場するなどいかにもTBS製作だなぁと思わせる作品だった。

ただし、市原と実質W主演となる存在、視聴者の目を代替するという意味ではほぼ主人公となる木樽という役に高良健吾を配して、市原演じる鏑木とのコントラストを図ったことでとってもバランスが取れていた。

IMG_6908

▲配役のコントラストが絶妙。 (C)2010 BOX! Production Committee

恐らくは主人公は鏑木であるはずなのだが、ストーリーは木樽中心で進み、鏑木はあくまで彼の相棒であり、先導役であるように見えた。

鏑木が独白したり、思いの丈を表現するのではなく、成長の過程を見せつけるのはあくまで木樽。木樽から見た鏑木はあれど、鏑木の視点から見た木樽はほとんどない。

滑稽になりがちな市原隼人のオラオラ感たっぷりの鏑木を最後まで客観視できて、愛着すら覚えたのはこの配役のバランス感覚が大きかった。

IMG_6907

▲木樽から見た鏑木の視点とその逆のギャップもお見事。 (C)2010 BOX! Production Committee

練習や試合もボクシングのレベルを除けばとてもすがすがしいものだった。

ボクシング部員もいい奴が多かったね。みんな老けすぎだけど。

高良健吾と谷村美月のコンビは『おにいちゃんのハナビ』を思い出した。
谷村美月の幸薄さも含めて。
香椎由宇の役はもう少し適任者がいたのでは。

良いとこと不満なとことトントン。

★★★☆☆。

スポンサーリンク