映画『ベニシアさんの四季の庭』〜観光客ではなく、地元民として〜

13年の映画、『ベニシアさんの四季の庭』を鑑賞しました。 菅原和彦監督、製作はNHKエンタープライズ。

BSプレミアムの番組から生まれたドキュメンタリーなんですね。知らなかった。


劇場の予告編は何度か目にしていたので、作品のタッチはすんなりと入れた。


ベニシア

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日本人よりも日本人

二十歳で日本にやってきて、京都の風流に魅せられ、自然豊かな生活を送るベニシアさん。


離婚、娘が未婚の母に、夫の浮気、夫の大怪我と複雑な家庭環境が次々と訪れる文字通り波瀾万丈な展開だった。




ベニシアさんが一人目の旦那とつくった娘が未婚の母となり、息子(ベニシアさんにとっての孫)と転がり込み、でもベニシアさんといま暮らしているのは二人目の旦那(正さん)なので彼にとっては、ベニシアさんの娘と孫は他人。

しかも正さんとベニシアさんの間には悠仁さんという息子さんがいる。



そりゃあ正さんとすればびっくりするはずだ。

物語としても十分にヤマのある構成だが、実話である分衝撃は大きい。

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▲ベニシアさんの自然と生きる姿は印象的 (C)ベニシア四季の庭製作委員会2013

四季の庭という題名の通り、シーズンごとにベニシアさんの暮らしを彩る植物や野菜が散りばめられ、自然と共生する彼女たちが映し出される。



僕が一番印象に残っているのは日本に魅せられたベニシアさんが、多分我々日本人以上に日本的な生活を営んでいること。



畳が破れれば畳屋を呼び、シソの葉を摘んでジュースをつくる。

夏には七夕の短冊や風鈴が軒先になびき、自然素材のうちわで風を招く。


風呂敷の結び方に風流を感じ、モンペ姿で街を歩く。

和の要素が色濃く残る京都で、観光客としてではなく、地元の住人として最大限にその雰囲気を感じようという心が見て取れた。


僕の育った町の隣町は工場が多く、外国人労働者の方の子供がクラスに何人かいるような土地柄だった。


だから特別日本人とか外国人とかそういう意識はなかったが、京都の自然に囲まれた土地では簡単にはそうもいかないだろう。



あまり描かれてはいなかったが、いろいろ苦労したと思う。


でも、それでも日本で和を感じながら暮らしたいという強い意志がベニシアさんにはあった。


また彼女の周りの人間も非常に器の広い人が多く、支え合いながら生活をしている雰囲気が伝わってくる。




実家にも畳がない僕よりもよっぽど、日本らしさを追求しながら生きているベニシアさんたち。


よく日本の原風景っていうけれど、彼女たちの周りみたいなことをいうんじゃないかな。

トトロに出てきそうな豊かな緑。


評価は★★★☆☆。


撮影、編集も雰囲気を邪魔することなく良質なドキュメンタリーに貢献していましたね。

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