映画『転校生』〜入れ替わりのパイオニア〜

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こないだ観た82年公開の『転校生』。

HDDに録ってあったので観てみました。

大林宣彦監督、尾美としのり、小林聡美。
予備知識なしで観たので、まず小林聡美が若い!というか幼い!
僕が生まれるよりもしばらく前に撮られた作品。その割に映画のキメが細かかった。



あべこべ手法の先鋭

原作は山中恒の『おれがあいつで、あいつがおれで』。

今でもドラマや映画でよく用いられる男女(もちろん同性同士もあるが)が衝突した弾みで中身が入れ替わってしまうという、あべこべ手法。

『転校生』がヒットしたことにより、この作品は後世のこの手法の礎となった。

たぶん誰しも何らかのドラマや映画で入れ替わり手法は見たことがあると思う。

本作を観れば、いかに現代の同類作品に影響を及ぼしているかわかるはずだ。

余談だが、小さい頃実家には親のものか祖父母のものかはわからないが、山中恒の作品が2冊あったので読んだことがある。
上述の『おれがあいつで…』ではないが、小学生の僕が読んでも、多分今の僕が読んでも面白い切り取り方をする作者だった。

『転校生』。

男女が入れ替わるトリックとストーリーは、現代の僕たちが観たところで特別目新しさは感じないだろう。

ただし、繰り返すが、この作品はパイオニアである。

前例のない構成に挑んだスタッフ、小林聡美の女優魂、モノクロームの味のある演出。

もう文句ないでしょう。

僕はこの作品を知らなかった。

知らない人にはぜひ観てもらいたい一本。