『君の名は。』の新海誠監督の最初の映画が『ほしのこえ』。
2002年の作品で、自主製作した一本だという。
『君の名は。』にどっぷりとハマり、新海作品のアニメーションがとても好きだったので鑑賞してみた。
あらすじ紹介
中学3年の夏、国連宇宙軍の選抜に選ばれた長峰美加子は、思いを寄せていた同級生の寺尾昇に別れを告げる。美加子は地球を後にし、昇は普通の高校へ進学。地球と宇宙に引き裂かれた2人はメールで連絡を取り続けるが、美加子が地球から離れるに従い、メールの往復にかかる時間は何年も開いていく。
スタッフ、キャスト
監督・原作・脚本 | 新海誠 |
長峰美加子 | 武藤寿美 |
寺尾昇 | 鈴木千尋 |
リシテア艦オペレーター | ドナ・パーク |
厨二病vs映像美
Mac1台で、たった一人で作り上げた25分の作品。
ただ、僕はアニメの専門ではないし、その気概や労力、またアマチュア監督の処女作品ということに対しては全く考慮しないで感想を書く。
『秒速5センチメートル』でもそうだったが、少年と少女が何かの要因で別の道へと分かれ、手紙を通じてコミュニケーションをとっていく。
エヴァ的な要素と手紙という媒体を使った独白調の詩。
酔っている感が強いセリフが端々に出てくるが、それもまた新海監督の色だろう。
『君の名は。』は新海監督の色を引き算したがゆえの大ヒットという評価を見たが、その理論がわかった気がした。
ストーリー性はあまりないし、SFに耐性がある人じゃないと面白くはないと思う。
事実、その分野に疎い僕は引き込まれなかった。
ただし、『君の名は。』のヒットにより新海誠という監督にブランドイメージを見出したことで、この作品を観るきっかけができた。
そしてこの作品はやはり映像的に美しく、(一人で作り上げたということを考慮しなくても)アニメーションとして高いレベルにあると再確認できた。
携帯はストレート携帯。メールも前時代的。にもかかわらず舞台設定は2030〜40年代。
この不一致にも、やはり作り手の情熱とか、それに付随する作画とかが上回って、観て良かったなと思う。
新海誠監督のルーツを感じるには十分。
電線とか線路とか缶ビールとか携帯とか、やっぱり細かいところの絵が美しい。
『君の名は。』が好きな人は是非。