映画『名探偵コナン ゼロの執行人』〜正義の定義〜

本年(2018年)の劇場版コナン・『ゼロの執行人』を先月鑑賞しました。

遅ればせながら感想です。

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監督は静野監督から代わって立川譲さん。
声の出演に高山みなみ、山崎和佳奈、古谷徹ら。

過去の劇場版鑑賞記録はこちら。

 

『ゼロの執行人』を観る前におすすめしたい3作品も紹介してみました。普段コナンを観ていないですよという方は、こちらもよろしければご覧ください。

『ゼロの執行人』をもっと楽しむための3作品

こちらは映画.comさんの解説です。

青山剛昌原作の人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版22作目。サミット会場を狙った大規模爆破事件を発端に、コナンと公安警察が衝突するストーリーが展開し、劇場版20作目「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」に続き、謎の男・安室透がメインキャラクターとして登場する。東京で開かれるサミットの会場となる東京湾の巨大施設「エッジ・オブ・オーシャン」で、大規模爆破事件が発生。事件の裏には、全国の公安警察を操る警察庁の秘密組織・通称「ゼロ」に所属する安室透の影があった。サミット当日ではなく事前に起こされた爆破事件と、安室の行動に違和感を抱くコナン。そんな折、爆破事件の現場から毛利小五郎のものと一致する指紋が発見され……。監督は前作まで計7作の劇場版「コナン」を手がけた静野孔文から、新たに「モブサイコ100」「デス・パレード」の立川護にバトンタッチ。

ではネタバレの感想に移ります。

安室さんがかっこいい

本作の主人公は安室さんと言っても過言ではありません。

公安警察、黒の組織のバーボン、喫茶ポワロの店員。3つの顔を持つ彼ですが、今回は公安警察としての活躍がメインです。
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▲もう単純に顔がいいですよね!顔が。 (C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

特に愛車を運転して爆走するところがありえなくかっこいいです。コナンにはスケボー+サッカーボールがありますけど、安室さんの武器はこのスポーツカーなんですね。

「僕が愛するのはこのく●●!」

本作の代名詞のようなこの台詞。流れから僕はクルマだと思ったんですけど違いましたね。

かっこいいことは確かなんですけど彼のやり方、操作方法に対してどれだけ理解できるか、共感できるかがこの作品を楽しめるかの鍵になりそうです。

難しい…対象年齢はかなり高め

正直なところ警察庁、警視庁、検察庁におけるヒエラルキーや裁判の流れなどは興味がないと大人でも難しかったです。

上戸彩が声優を務めた「ケーベン」(店舗を持たず携帯で仕事を取ってくる弁護士)弁護士の橘さんはなかなか見所がありました。

エピソードが強引なところと存在意義にクエスチョンマークがつく部分はありましたが、コナンにあまり出てこないタイプのキャラクターだったのではないでしょうか。

橘弁護士、公安の風見さん。そして安室さん。

何かをつかむために内心とは違う言動をしたり「敵を欺くにはまず味方から」を地でいく様がフォーカスされています。

風見さんと安室さんがコストコ風のスーパーマーケットで会話してるシーンなどは「あえてそこで話すのか?」と驚きました。秘密を握る職業って大変ですね…。

「協力者」というキーワードが登場するんですが、僕はそこら辺の考察を諦めました。いろいろ難しいです…!

少年探偵団と阿笠博士

今回は阿笠博士と少年探偵団が展開のキーを握ります。

ドローンを駆使して空から事件の突破口を開いていくわけですが、本作はハイテク要素、IT文明の進歩がいっそう著しく映ります。

テロの媒体となったIoT家電や、ドローン、スマホ。これまで色々な機器が登場してきたコナン作品の中でもとりわけ先鋭的でした。

初期開発作品の象徴・蝶ネクタイ型変声機とキック力増強シューズはもちろん健在です!

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▲蝶ネクタイ型変声機とキック力増強シューズ。サッカーボールのデザインはいつになったら変わるのでしょうか。 (C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

阿笠博士のクイズはもはや屁理屈に達しており、これわかる人いるの?ってレベルに。
全体的に、観ている人に解かれてたまるか!という気概が見えた作品でした。

少年探偵団のみんなは安全域で大活躍。今回は危険に晒されないでよかった…!

「あの子たちが日本を救ったのよ」とは哀ちゃんの言葉です。

確かにデジタル機器の操作は子供の方が上手かったりするんですよね。純粋に楽しみながら触って覚えていくし。興味深い描写でした。
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▲博士をあしらう哀ちゃんに、ダメ亭主を教育する妻の姿が… (C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

そもそも阿笠博士のドローンがなければミッションは完成されてないので、その意味では博士もかなり貢献していましたね。哀ちゃんの妻感が凄い。

俺のスマホ……

『ゼロの執行人』では安室さんのスーパーぶりに比べてコナンがいつになく気が抜けてるなと感じました。

橘弁護士をもう少し早く暴けただろうとか、容疑者となったおっちゃんをもっと早く助けられなかったのかとか、色々思うことはある中で序盤の「あれ、俺のスマホ……」は彼らしくなかったなと。

風見さんにGPSをつけられて、それを後で利用しているので完全に出し抜かれているわけじゃないんですけど、果たして必要なセリフだったのかどうか。

代用機のスマホは使いづらいな、と言っていたセリフの意義もよくわかりませんでした。
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▲コナンはどうもしょっぱく映りました。こんなはずじゃない感が… (C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

アクションシーンでは安室さんとタッグを組んで頑張っていましたが、本作のコナンはやや黒子に回る感が強かったです。前作の『から紅の恋歌』も平次のアシストに回るところが多かっただけに、そういう流れなんでしょうか……。

そもそもおっちゃんが逮捕された成り行きや強引な連行も観ていてあまり気持ちの良いものではありませんでした。
蘭姉ちゃんの叫びに涙
ここからは良かった点を挙げていきます。

まず、小五郎おじさん逮捕をめぐる英理さんと蘭姉ちゃん。
おっちゃんにパソコンからハッキングのような形でサミットの爆破容疑がかかり「あの人は(お父さんは)そんな器用なことはできない」と2人は抗議します。

少しディスも入りながら、毛利小五郎という親父への愛がよく伝わるシーンではないでしょうか。「お父さんがそんなことするわけない」よりもおっちゃんの人となりを観客と共有できる描写だと思います。

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▲涙を流す蘭姉ちゃん。鼻の上に影をつけることで衝撃や困惑、焦りを表すキャラデザでした。 (C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

蘭姉ちゃんはいつになく好戦的で、橘弁護士が使えそうにないとわかると不信感をあらわにする場面もありました。

「助けて…新一!」

お決まりのこのセリフも説得力があった気がします。自身の危険よりもさらに切羽詰まってるというか、家族の危機ですからね。

小五郎のおっちゃんが釈放されてからの英理さんと蘭姉ちゃんの反応もとても自然。終盤のご飯のシーンも変わらぬ毛利家が描かれていました。

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▲小五郎おじさんの言葉に頬を赤らめる英理さん。園子のツッコミがたまりません。 (C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

犯人が完全なる“悪”じゃない

もう一つ、『から紅の恋歌』でも同様だったんですが、本作品では犯行に一定の配慮がされています。

サミット会場の爆破は実施前、警視庁への攻撃も一度停電を起こして避難を促し一般市民の犠牲者が出ないようにしています。

犯人の職業、性格上のものとはいえ、一般市民を巻き込みがちなコナン映画の犯行(=爆発)にしては気を遣ってるなという印象でした。

もちろん犯行は許されるものではありません。
でも、ささやかな自分の定義を決めることで犯人もまた人間なんだな、鬼畜ではないな、ということがよくわかりました。
自らの目的のためには少々の犠牲は仕方ない。
でも、その少々は極力少なくしたい。

それは安室さんたち公安警察も同様で、僕が一番この作品で共感できたテーマでした。

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▲安室さんも何かに代えて正義を貫こうとしていました。 (C)2018 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

犯人の日下部も根っからの悪人じゃないわけで。世の中の犯罪って結構こういう形が多いんじゃないかな?

鑑賞から半月以上が経っての感想文。

正直、自分で書きながらよくわからなくなりました。筆が進みませんでした。

それほど僕にとってこの作品は難解で、評価が難しい映画でした。

自分の無知さを痛感。

評価は★★★☆☆。

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