映画『ロボジー』ネタバレ感想|ロボットから香る人間臭さ

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今回ご紹介するのは映画『ロボジー』

2012年公開、矢口史靖監督、脚本。主演は五十嵐信次郎名義でミッキー・カーチス

矢口監督といえばウォーターボーイズやスウィングガールズの印象が強く、真っ直ぐな、ちょっと真っ直ぐ過ぎるほどな、青春作品のイメージがありました。

この作品は白物家電メーカーの「木村電器」に勤める三人のしがない社員が博覧会用にロボット作りを無茶ぶりで社長(小野武彦)に命じられるも間に合わず、博覧会に出展したロボットの実態は…というもの。

『ロボジー』のスタッフ、キャスト

監督・脚本:矢口史靖
鈴木重光:五十嵐信次郎
佐々木葉子:吉高由里子
小林弘樹:濱田岳
太田浩二:川合正悟
長井信也:川島潤哉
伊丹弥生:田畑智子
木村宗佑:小野武彦

あらすじ紹介

小家電メーカー・木村電器で働く小林、太田、長井の3人は、企業広告を目的に二足歩行のロボット「ニュー潮風」を開発していたが、発表直前に不慮の事故でロボットが大破。その場しのぎで、一人暮らしの頑固老人・鈴木にロボットの中に入ってもらうことにする。しかし、鈴木の勝手な活躍によりニュー潮風は大評判になり、たちまち世界中から注目を浴びてしまう。

出典:映画.com



映画のネタバレ感想

導入部は主人公の鈴木老人(五十嵐)の人となりを描くエピソードから入っており、頑固親父の演技や環境面はもちろん、ステテコやワンカップといったディテールにも人間くささがとっても感じられる作りになっていました。

この鈴木老人の描き方がもう少し雑だったらば、僕はこんなにのめり込まなかっただろうし、ロボットという無機質なものと対比させた本作のコントラストがしっかりと道筋づけられたのかなという気がします。

ミッキーカーチス改め、五十嵐さんは確かに見たことのあるおじいさんだったのだけれど、トコトコと機敏な仕草が素敵。

目立ちたがりやな部分は見ているこちらもヒヤヒヤするものの、やっぱり序盤のキャラクター描写が効いているのでそのあたりの暴走ぶりも納得であります。

濱田岳、川島潤哉、川合正悟が演じる木村電器のダメトリオぶりも面白い。
ロボットの秘密を抱えながらの葛藤と、「本物」を作ろうと気概だけは見せるところと。

建前と本音が混在した、こちらも人間くささたっぷりの演技でした。

人間くささといえば、機械の匂い、おじいちゃんの匂い、屁をこいた臭いといった嗅覚的な部分もありました。

敵役というものが存在しないこの安心感は、矢口監督の温かさによって成り立っているんだろうなーなんて。

全ての人が踊らされ、最後には笑って一緒に踊る、そんなイメージです。うまく言えないけど。そういえば踊る、というのもこの作品の一つのファクター。

前述の綿密なキャラクター描写もそうですがとにかくプロットがしっかりしていて、シーンごとに必ず因果がもたらされます。

終盤は早送りに感じられる一方で伏線の回収がそれとなしに行われているから見ている方も回想して飽きさせない。

作品全体を包むイメージとともに伊坂作品っぽさが感じられました。

ウォーターボーイズのノリで見ると本当に印象を覆されます。

キーパーソンの吉高由里子はこれまた面白い役柄で、しかも幼い!可愛い!笑

個人的には大好きな作品。

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