映画『曲がれ!スプーン』感想〜らしくない、長澤まさみ〜

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長澤まさみ主演の『曲がれ!スプーン』。監督は『サマータイムマシン・ブルース』や『UDON』の本広克行。
原作は同名の上田誠の戯曲で、2000年に初演を迎えている。

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映画『サマータイムマシン・ブルース』ネタバレ感想|2030年にもう一度見直したい名作

2021年3月1日

『曲がれ!スプーン』のスタッフ、キャスト

監督:本広克行
原作・脚本:上田誠
桜井米:長澤まさみ
早乙女:志賀廣太郎
河岡:諏訪雅
井出:川島潤哉
筧:中川晴樹
椎名:辻修
小山:三宅弘城
神田:岩井秀人

あらすじ紹介

超常現象を取り上げるバラエティ番組「あすなろサイキック」のAD・桜井米(ヨネ)は、本気で超能力の存在を信じている天然少女。エスパーを探してカメラ片手に日本全国を歩き回る米は、なかなかネタをつかめずに路頭に迷っていたが、最後の取材で訪れた「カフェ・ド・念力」で本物のエスパーが集うパーティに遭遇する。

出典:映画.com



映画のネタバレ感想

以下、作品のネタバレや展開に触れていきます。未見の方はご注意ください。

最初は誰だかわからなかった

長澤まさみは化粧っ気もなく、ラフな役柄。最初出てきた時は誰かわからなかった。
でも、それが味を出しているし、演技もパシリADのやるせなさを感じさせていた。服装も可愛いしね。

でも、この作品で見るべきところは長澤ではないと思うし、演技でもないと思う。
喫茶『念力』に集うエスパーたちの操る能力、そしてエスパーがゆえの苦悩。よそよそしさの中に見え隠れする自尊心。

「念力」の限られた個室内で繰り広げられる彼らのやりとりは舞台劇を見ているようで新鮮で、何より面白かった。
感覚としては『キサラギ』に似ているのかもしれない。

エンディングで一気に開放

ストーリーが特段優れているわけでも、演技が飛び切り上手いわけでもない。ただ、テーマが夢を見させてくれるものであり、役者さんが上手に引き込んでくれた、そんな感がある。

原作の舞台で演じた役者さんが多かったため、長澤まさみ以外は正直なところ名前もよくわからない人が多かった。

それでもドラマ『ドン・キホーテ』で魅力的なキャラ”西ヤン”を演じた三宅弘城をはじめ、諏訪雅、中川晴樹、辻修、川島潤哉、岩井秀人、志賀廣太郎は総じて良かった。観ていて気持ちが良くなるというか。ヨコシマな部分が出ない綺麗な演技だった。

また、閉じた空間でのシーンが多かった中、エンディングで子供達の表情を次々と切り取っていたのはコントラストが効いていて印象に残っている。

期待を大幅に、大幅に上回るインパクトも味方したにせよ、大満足。先日の『シュアリー・サムデイ』とはまた異なるスッキリ感を得た。