映画『ポテチ』〜野球経験者に観てほしい〜

2012年の映画『ポテチ』を鑑賞。濱田岳主演、中村義洋監督。

原作は伊坂幸太郎。単行本『フィッシュストーリー』に所収されている。

仙台のロケ地は健在

上のポスターにも書いてある通り『アヒルと鴨のコインロッカー』、また『ゴールデンスランバー』を作った伊坂×中村タッグである。

原作が入っている『フィッシュストーリー』は短い物語を広げて尺の長い映画にしたという形であったが、本作は68分と短い時間にわりとしっかりとした中篇物語を濃縮したもの。

これまでの中村組同様、かなり原作に忠実に、またリスペクトを払った構成となっている。
今村(濱田)と若葉(木村文乃)のセリフは小説とほとんど変わらない。

▲濱田岳演じる今村と木村文乃の若葉は原作そのまま。 (C)2007 伊坂幸太郎/新潮社 (C)2012「ポテチ」製作委員会

勾当台公園のシーンから映画は始まり、同じく『ゴールデンスランバー』でも使用された藤崎、仙台駅前、『重力ピエロ』のMEALSとおなじみのロケ地が続く。

伊坂映画の常連さんはそのあたりを気にして見ても面白いかもしれない。

▲勾当台公園でのシーン (C)2007 伊坂幸太郎/新潮社 (C)2012「ポテチ」製作委員会

▲仙台駅前のペデストリアンデッキと伊坂×中村組の定番は今作も。 (C)2007 伊坂幸太郎/新潮社 (C)2012「ポテチ」製作委員会

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野球の試合がハイレベル

東日本大震災の後に作られた映画である。大森南朋が若者を諭す際に、もうあんな地震が起きぬように、と震災のことを例で示している。
ここは原作の小説にはない部分。中村監督らしい心配りだと思う。

また目に付いたのが野球の試合シーンのレベルの高さ。
尾崎選手を演じた阿部亮平は野球経験者なのである程度スイングなども立派だったが、それ以上に投手役の人は明らかに素人ではなかった。
自然に見える野球中継はとてつもなくレベルの高いものである。

▲野球のレベルがめちゃくちゃ高い。キャスティングに拍手! (C)2007 伊坂幸太郎/新潮社 (C)2012「ポテチ」製作委員会

エンドロールで見ると六大学の仙台出身者のようなことが書いてあったが、いずれにせよ普段見ている甲子園レベルの球を投げていて心底びっくりした。

『陽気なギャングが地球を回す』でもそうだったが、伊坂作品の悪党が悪役にならない心地よさは継続。
悪党ではないにせよ、濱田岳たちの仕事は真っ当ではないのだけど。

原作を知っていた分、失望もなければ大きな驚きもなかった。
初見の人が見たらどう思うのか。ストーリーには全く触れないでおく。
★★★☆☆。

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