二週間ほど前に06年の映画『陽気なギャングが地球を回す』を鑑賞。
前田哲監督。大沢たかお、鈴木京香。
伊坂幸太郎原作の感想文はこちら。
あらすじ紹介
他人のウソを見破ってしまう男・成瀬、正確な体内時計を持つ女・雪子、演説の達人・響野、天才的なスリの腕前を持つ青年・久遠という、それぞれ奇妙な特殊能力を持つ4人組銀行強盗が、何者かに横取りされた大金を奪いかえすべく奮闘する姿をスタイリッシュに描く。
スタッフ、キャスト
監督 | 前田哲 |
原作 | 伊坂幸太郎 |
脚本 | 長谷川隆、前田哲 丑尾健太郎 |
成瀬 | 大沢たかお |
響野 | 佐藤浩市 |
久遠 | 松田翔太 |
祥子 | 加藤ローサ |
雪子 | 鈴木京香 |
慎一 | 三浦知紘 |
田中 | 古田新太 |
響野を映像化する価値
原作を読んでから間をおかずに観たため、小説とのすり合わせをしながらの鑑賞になった。
ストーリーとしては原作に比べて事象のリンクが弱い。
進一やニセ警官の使い方はもう少し考えてほしかった。また過去の銀行強盗で恨みを買ったというくだりも、90分余りという尺を考えれば少しもったいない。
ラストの二転三転は実にわかりにくく、一回目の視聴では何がどうなったのか把握できなかった。
しかし、この作品の絶対的な強みとして強烈な個性の再現性がある。
成瀬→大沢たかお、雪子→鈴木京香の二人はもちろん、響野を演じた佐藤浩市と久遠の松田翔太は完全に僕の中のキャラクターイメージと合致した。
響野の演説は強盗団の中でも最も好きな部分だった。
その良さを消すことなく、それどころか金髪の佐藤浩市という役者を使ってさらに引き立ててくれた。
嫁役の加藤ローサも可愛いし、最後まで実質的な主人公を張ったという感じ。
スクリーンデビューとなった松田翔太の久遠はスリの手際が素晴らしく、響野と同じくキャラクターの特殊能力を余すことなく再現していた。
その一方で動物愛護の姿勢や、原作には描かれていないキャンパスライフのシーンなどミステリアスに見えて結構キャラを作り込んでくれていた。
現在の松田翔太と違ってまだ表情も幼くヤンチャ坊主。
原作と比べて劣ったところと、映像化して生きたところと。
ロマンはどこだ?ここにある。