映画『陽気なギャングが地球を回す』〜佐藤浩市起用の妙〜

二週間ほど前に06年の映画『陽気なギャングが地球を回す』を鑑賞。

前田哲監督。大沢たかお、鈴木京香。

伊坂幸太郎原作の感想文はこちら

響野を映像化する価値

原作を読んでから間をおかずに観たため、小説とのすり合わせをしながらの鑑賞になった。

ストーリーとしては原作に比べて事象のリンクが弱い。

進一やニセ警官の使い方はもう少し考えてほしかった。また過去の銀行強盗で恨みを買ったというくだりも、90分余りという尺を考えれば少しもったいない。

ラストの二転三転は実にわかりにくく、一回目の視聴では何がどうなったのか把握できなかった。

しかし、この作品の絶対的な強みとして強烈な個性の再現性がある。

成瀬→大沢たかお、雪子→鈴木京香の二人はともかく、響野を演じた佐藤浩市と久遠の松田翔太は完全に僕の中のキャラクターイメージと合致した。

書評でも述べたが、響野の演説は強盗団の中でも最も好きな部分である。

その良さを消すことなく、それどころか金髪の佐藤浩市というアクターを使ってさらに引き立ててくれた。

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嫁役の加藤ローサも可愛いし、最後まで実質的な主人公を張ったという感じ。

松田翔太の久遠はスリの手際が素晴らしく、響野と同じくキャラクターの特殊能力を余すことなく再現していた。

その一方で動物愛護の姿勢や、原作には描かれていないキャンパスライフのシーンなどミステリアスに見えて結構キャラを作り込んでくれていた。

現在の松田翔太と違ってまだ表情も幼くヤンチャ坊主。今再び演じたら少し印象は変わると思う。

原作と比べて劣ったところと、映像化して生きたところと。

ロマンはどこだ?ここにある。

★★★★☆。

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