映画『風に立つライオン』〜ケニアロケに好印象〜

15年の映画『風に立つライオン』を鑑賞しました。

さだまさしの同名曲、また曲をベースにした小説が原作。主演・大沢たかお、三池崇史監督。

 

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彼を語り、彼が語り、
また彼を語る

Wikipediaには三池監督らしからぬ、バイオレンスを排除した作品と記載されている。

確かにそういえばそうなのだが、ジャンルを選ばないのが三池崇史という監督なのでさほど驚くこともない。

ストーリーとしては長崎大学病院の医師である航一郎(大沢たかお)がケニアに赴任し、内戦で傷ついた子供たちを心身ともにケアして、アフリカの地に笑顔を咲かせるというもの。

 

ケニアで撮られた時代は80年台後半の出来事なので、現代(東日本大震災が時間軸として設定されている)で周りの人たちが彼との思い出や印象を振り返って、航一郎という人間の説明を補強する形をとっている。

▲大沢たかおが演じる航一郎は実在する方とのこと。 (C)2015「風に立つライオン」製作委員会

原作を読んでいないので少し図りかねるが、この現代の思い出話と航一郎のケニア時代と航一郎の在りし日という複数の時間軸が行ったり来たりしてわかりにくい。

▲ケニア時代のエピソードと在りし日のエピソードの時間軸の推移がややわかりにくい。(C)2015「風に立つライオン」製作委員会

▲同じ役者を使う弊害か。 (C)2015「風に立つライオン」製作委員会

さらに必然性が見えてこないエピソードも多く、真木よう子や藤谷文子のものは果たしてそんなに時間を割く必要があったのかと思わされた。

 

ただし、医大生時代の真木よう子はとても可愛かったことを記しておく。

▲真木よう子演じる貴子との恋愛シーンに安易に尺を使わなかったのは評価したい。 (C)2015「風に立つライオン」製作委員会

ケニアロケの意味

島田航一郎は実在する人物で、CATV(日本映画専門チャンネル)の解説によるとまだご存命とのこと。

 

作品のテーマとなっている「頑張れ」の他にも「ダイジョーブ」「ヤベー」「スゲー」といったキーワードを用いながら、大沢たかおが前向きすぎるほどの爽やかさで演じている。

▲現地の子供たちは航一郎の看病を受けて軽い口語の日本語を少し覚えていく。 (C)2015「風に立つライオン」製作委員会

現地・ケニアの子供たちを都合の良いように描きすぎかなというのは思ったが、人にたくさん喋らせて、人を映していくスタンスは良かった。

 

ケニアでロケを敢行しながらも安易に風景や環境でアフリカ感を押し出そうとしない。(『沈まぬ太陽』は風景の画に依存するきらいがあった)

 

だからドキュメンタリーのタッチが入った作品になったし、最初と最後のシーンに意味がある。

▲異国の地での雰囲気に甘えることなく、しっかりとエピソードを紡いでいた。ケニアロケは成功。 (C)2015「風に立つライオン」製作委員会

真木よう子が演じる貴子は航一郎の元恋人だったが、恋愛エピソードで安易に尺を使わなかったのも好印象。

後半から急にばたついてしまったので、孤児院設立後の石原さとみや子供たち、院長をもう少し補強しても良かったと思うかな。

▲後半はやや早足に。石原さとみももう少しじっくり見たかった。 (C)2015「風に立つライオン」製作委員会

「頑張れ、は人に言う言葉じゃない」は響いた。他にも幾つかいいセリフがあった。セリフを通じて元気をもらえる作品だと思う。

物語の接合部分が甘かったので★3つ。

 

★★★☆☆。

 

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