映画『ルート225』ネタバレ感想|高橋由伸の現役時代

06年の映画『ルート225』を鑑賞。中村義洋監督、多部未華子、岩田力。
平行世界のパラレルワールドに迷い込む中学生の姉弟の話である。

原作は藤野千夜の小説。

『ルート225』のスタッフ、キャスト

スタッフ、キャスト

監督:中村義洋
原作:藤野千夜
脚本:林民夫
田中エリ子:多部未華子
田中ダイゴ:岩田力
マッチョ:石原裕太
大久保ちゃん:小南千明
エビヅカ:笠原翼
エビヅカの父:田中要次
富山のおばさん:梅沢昌代
富山のおじさん:崔洋一
エリ子の父:嶋田久作
エリ子の母:石田えり

あらすじ紹介

中学2年生のエリ子(多部未華子)は、ある日、帰りの遅い弟ダイゴ(岩田力)を迎えに行った。ダイゴは公園のブランコにいた。弟をからかいながらの帰り道。通ってきた国道が海に変わっていることに気づく。「海なんてうちの近くにないはずだよね」呆然とするふたり。海だけじゃなく周りの風景も一変している。ここはどこなのか。運良くダイゴの同級生だったクマノイさん(市川春樹)という少女に会うも、何故かダイゴが固まっている。「僕たちもう家に帰れないかもしれない」「なに、それ」「だってクマノイさん死んでるもん」不安になって歩くうち公園に戻ることができたので、今度こそちゃんと家に帰ろうと公園を出たふたり。海はなくなっていたので安心するが、なにかが違うような気がしている。翌朝、学校に行くと、学校はいつもの通りだが、仲違いしたはずの元親友・大久保ちゃん(小南千明)が親しげに話しかけてきた……。

出典:映画.com



パラレルワールド

とある日、なかなか帰らない弟のダイゴ(岩田)を探しに(迎えに)家を出る田中エリコ(多部)
母親(石田えり)に雨が降りそうだから傘を持って行きなさいと言われ、彼女は渋々ピンクのビニール傘を持ち、黒いコンバースの紐を締めて家を出る。

ダイゴは国道の向こうにある公園のブランコに乗っていた。
帰ろうと促すエリコ。従う弟。
往路でも通った商店街を抜け、番犬のいる家の前を抜ける。

すると、二人の前に広がっていたのはなんだかひどく空虚な海岸だった。
白い砂浜とは程遠い、黒い砂の海岸。

なお、彼らの住んでいる町は東京都練馬区関町である。
なお、練馬区は海に面していない。
言うなれば、一番海から遠い区である。

エリコとダイゴはパラレルワールドに迷い込んでしまう。
この海岸が現れた謎の世界をB元の世界をAとすると、二人はその後Bから抜け出し、Aに酷似しているけど色々なものが違うA’(エーダッシュ)の世界に入る。

そこには母も父もいない。帰ってこない。

高橋由伸

この作品でなかなか重要な役どころを務めているのが、今年からジャイアンツの監督を務めている高橋由伸である。

作品が06年公開なのでもちろん現役バリバリの由伸時代なのだけれど、ダイゴの憧れの存在として描かれている。

由伸のホームランに歓喜するダイゴに「キモッ!」と毒づく姉貴。
ちなみにエリコは弟を基本的にお前呼ばわりで結構口が悪い。そのへんも現実感あって好印象。

さて、高橋由伸。田中家(A’世界)のテレビに映るのは阪神戦。東京ドーム。由伸が阪神のサウスポーからホームランを放つ。
ピッチャーの印象があまりにもないので調べてみると04年の試合で、三東という選手だった。※参照

藤川球児に安藤、久保田、岡島、三澤に林やシコースキーはもちろん、佐藤宏や桟原は覚えてたけど。しかも勝ち投手だし。記憶にないなぁ。

由伸好きのダイゴは背番号24のテレカを大事に持ってるんだけど、新しいテレカ(同種類)をカードショップに買いに行く。
すると店員はそのテレカは生産中止だと告げ、別の選手のものを勧める。

「清水(隆行)」まぁわかる。
「阿部(慎之助)はどうだ?持ってるとかっこいいぞ?」当時若かったしね。まぁわかる。
「清原どうだ?渋いぞ!」……。

とにかく、スペシャルサンクスでも与えてあげたいほど重要な存在の高橋由伸。

一番輝いていた時代も知っている身としては、監督になった今年にこの作品を見ることができて彼の凄さと変わらぬ若さと、その若さの中で指揮を執り戦っていることの偉大さをひしひしと感じた。

巨人を嫌いな人も見て大丈夫ですよ。

尻切れトンボの幸福

この作品は伏線の散りばめ方が半端じゃない。散りばめるというより、撒き散らしている。

異世界との邂逅や脱出に際する偶然、脱出するための偶然を作り出すあらゆる挑戦と条件。
多分それはパラレルワールドを描く作品についてまわるものだし、僕も当然のようにその伏線たちを拾いながら時間は進んでいった。予想の範囲内のレールに沿って。

ただし、その線路は突然ぶった切られてしまう。
ミスリードをいざなう掌返しや、少しずるい後出しの裏切りとは違う。

僕は正直かなり驚いた。結末にも驚いた。

言葉にするなら
「…まじ?」
「…そうなの?」
といったところだろうか。

小見出しに掲出した「尻切れトンボの幸福」。
いま、この作品に対して思う素直な感想である。

ダイゴ役の岩田力くんはこの作品以外に実績を確認できなかったけど、人間味のある素晴らしい配役。
ボンボン家庭の息子として出てきそうな風貌であの演技されちゃあね、負けました。

人に積極的に薦めて、願わくは一緒に見てビックリしたい。

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