映画『漫才ギャング』感想|拝啓、宮川大輔様。

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11年公開の『漫才ギャング』。主演に佐藤隆太、原作・脚本・監督は品川ヒロシ。

吉本興業たっぷりバックアップで、宮川大輔、ピース綾部、ロバート秋山をはじめ、多くの芸人が出演している。



ごめんなさい

はじめに、僕はバラエティを見ないし、そもそも芸人とかは好きではない部類に入る。
煩いから。偉そうだから。

さまぁ~ずとか好きなのもいるけど、よってたかってギャハハハっていうのが嫌。
本作で言えば、宮川大輔なんて本当に嫌いなタイプだった。

しかし、である。

面白い。実に面白い。

ピース綾部とロバート秋山はもともと好きだったというのは差し引いても、実に、面白い。

宮川大輔さんすみませんでしたッッ!
と頭を下げたくなるほどの素晴らしい演技だった。いや、下げさせていただきます。全力で土下座します。

クックックッというくぐもった卑しい(失礼ながら)笑い方。あれは本当にリアルなもの。
俳優さんも参考にしたらいいくらいの出来だと思う。
あとはストーリーの進行につれて彼の立ち位置が変わっていくのだけどそれもまた自然だった。

佐藤隆太と上地雄輔の主演コンビも面白かったが、宮川の存在によって作品の脇がぐっと締まった感じがする。

ギャングと冠しているだけあって、喧嘩のシーンは多い。品川ヒロシなので、まぁヤンキー漫画の世界である。

主人公の色恋沙汰や佐藤と上地の仲違いと言った有りがちな部分を排除してまで、戦闘シーンを入れたのはやはり品川ヒロシならでは。こっちの方が僕も好き。

フィクションの感は確かに強いが、佐藤と上地の出会うシーンにおける佐藤の心内描写など、観る人を飽きさせない工夫が凝らされている。
しかも、それが「どや、笑えるやろ」的な押し売りが全く感じられなかった。

芸人に疎いので、他にもエンドロールでたくさん出ていた芸人たちがどの役の人なのかわからなくてすみません。
喧嘩シーンはやむなしとして、非常に気持ちのスッキリする作品だと思う。

エンドロールの終わりまでちゃんと視聴者のニーズを汲み取ってくれる、品川ヒロシ監督でした。