映画『百万円と苦虫女』感想〜自由人の生き様〜

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先日、08年の映画『百万円と苦虫女』を鑑賞。主演に蒼井優、監督はタナダユキ。

あらすじ紹介

短大を卒業後、就職もできずフリーター生活を送る鈴子。ひょんな事件から家族の元を離れ、100万円を貯めるごとに引越しを繰り返す生活を始める。様々な人との出会いを通じ、鈴子は少しずつ人の心の温かさに触れて成長していく。

出典:映画.com

スタッフ、キャスト

監督・脚本 タナダユキ
佐藤鈴子 蒼井優
リコ 平岩紙
大学生 森山未來
鈴子の母 キムラ緑子
鈴子の父 矢島健一
鈴子の弟 齋藤隆成



強く儚く、やっぱり強い

見たことのある人はともかくとして、百万円と苦虫女とは何ぞやっていうあらすじ説明から入ると面白さが半減してしまうと思うので、触れないでおきます。

ただ、主人公・鈴子(蒼井優)の導入部分は時間の進め方が面白い作り方をしていた。描かない空白の時間というかね。その部分はのちに家族との会話でわかるっていう。

蒼井優は、自由人のキャラクターが最高にフィットしていた。

自由人といってもその裏には彼女を縛るモノがあるんだけど、若い子たちが「誰々って自由人だよね~」と噂をしていそうな対象。

自由人に対する羨望や感嘆もありつつ、そんなアブノーマルなこと私はしたくないけどね、っていう線引きも込めたような「自由人」。

僕の周りでは結構こういう使い方している人多かったけどわかりにくいかな。

構成は、東京(団地)での鈴子、海辺の町での鈴子、山奥の農村集落での鈴子、そして地方都市での鈴子と、異なる場所における彼女の生活が中心。

蒼井優の絶妙な距離感も必見だけど、外側の人間と内側の人間っていう視点で見てもなかなか面白いと思う。

一本立ちしたキャラクターと、強い女のようで実は儚い、いや、やっぱり肝っ玉がしっかりしてんな、と女の強さに惚れることができる作品。

終わり方もまた秀逸でした。