映画『カメラを止めるな!』〜最後まで席を立ってはいけない〜

SNSや口コミで人気に火がついている作品があります。

映画監督や俳優を養成するスクール「ENBUゼミナール」のプロジェクトで制作された『カメラを止めるな!』。

 

上田慎一郎監督が、オーディションで選ばれた無名の役者たちと体当たりで撮影した衝撃作です。

 

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300万円と超低予算で作られたということも話題になりました。

 

封切り直後は都内の2館のみでの公開でしたが、圧倒的な支持を受けて全国に拡大。

 

僕の地元でも上映が始まったので観てきました。

 

冒頭は辛いかもしれないけど

 

上のポスターに書いてある通り、この作品を表すならば、

 

最後まで席を立つな
この映画は二度はじまる

 

ということに尽きます。

 

僕が観に行ったシアターでは9割ほどが埋まっていましたが、10人くらいが映画の序盤で出て行きました。

 

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▲ゾンビ作品という触れ込みなので血が苦手な人は心して観てください。 (C)ENBUゼミナール

 

 

気持ちはわかります。

 

この作品が30分以上に渡るワンカットで始まるということを知っている人は少なくないと思います。

 

そのワンカットシーンがとても面白いかといえば、人によって意見が分かれるでしょう。

ひどいとか、つまらないとか感じる人もいるかもしれません。

 

結果、

映画館を早い段階で後にしたお客さんはその「ひどさ」に我慢できなかったんでしょうね。

 

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▲狂気じみた「監督」を演じているのは濱津隆之。  (C)ENBUゼミナール

 

でも、もったいない。

 

つまらないと思っても、席を立たないで頑張ってみてください。

最後まで観れば必ず満足してもらえると思います。僕が保証します。

 

「ひどい」と思っていいんです。

そのがっかりした感情に対して、映画の後半では「ひどさ」の理由が明かされていきます。

 

どうしてあの場面は棒読みなんだろう。

どうしてあの人はたたずんでいるんだろう。

どうして違和感を感じるんだろう。

 

超長回しのワンカットを観て自分が感じたものや気づいたことを忘れないで、衝撃の後半戦に進みましょう。

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予算とか無名役者とかは関係ない

 

カメラを止めるな!というタイトル通り、上田監督は「映画を撮る映画」を撮っています。

 

重層的な映画撮影作品になっており、カメラワークの視点は『桐島、部活やめるってよ』に近いものがあるように感じました。

 

 

先述した「序盤の展開を我慢する」という点では、『恋の渦』にも通じるところがあります。

 

『恋の渦』は冒頭からDQNぽい人たちが一室に集まり、鍋パをしているところを客観的に長映しするものでしたが、こちらも冗長でウザい展開を我慢して理解することで以後の衝撃的な展開につながっていきました。

 

恋の渦
『カメラを止めるな!』は低予算と無名役者という点でも共通していますが、もはや誰が演じていようが関係ないんですよね。
それくらい構成に工夫が凝らされています。

たくさん笑ってください。声を出して笑ってください。

なぜこの映画に惹かれるのか

斎藤工がブログで賞賛の言葉を並べるなど、俳優からも高い支持を得ている本作。
普段は役を演じている側の「中の人」でも、外から見て感情移入や「あるある」の疑似体験をできることが最大の要因でしょう。

俳優の皆さんが、仕事をしている現場や映画が作られていくまでの過程で経験している面白さや困難。

それらをこれでもかと人間くささ全開で描き出す『カメラを止めるな!』は体験を再現してくれるだけでなく、役者としての自分を客観視できる作品でもあるのかもしれません。

岡村いずみさんも絶賛していました。
指原莉乃さんも絶賛していました。
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▲映画の担い手たちを映し出す手持ちカメラ。  (C)ENBUゼミナール

 

こう書くと、いわゆる業界人の人たちが内輪で楽しむ少し高尚な作品のように見えますが、決してそうではありません。
普段学校に通ったり、仕事をしている人でも、彼らと同じ「あるある」の追体験は感じられると思います。

周りの誰かと共同作業をするとき。

それに対して障壁が現れるとき。

妥協を迫られるとき。

何かを創り出していく上で起きる全てのことに、理由を見いだして解き明かしていく面白さがこの映画には凝縮されています。

是非劇場で体験してみてください。
これは確かに面白い!
個人的には「低予算なのに」という枕ことばをあまり考えないで観てほしいです。
作品の人気拡大に伴って、上田監督や役者さんがスターダムを駆け上がることになったら素敵ですね。
★★★★★。

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