映画『黄金を抱いて翔べ』〜実行の描き方に疑問〜

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12年の井筒和幸監督作品、『黄金を抱いて翔べ』。

原作は高村薫の小説。過去にテレビドラマ化もしているようです。

妻夫木聡、浅野忠信らが銀行の地下にある金塊を奪いに行く話。なのだが、
結論から言えば非常にもったいない。



何のための計画か

原作を未読なので無知を承知で言えばーー本来であれば、金塊の盗みをスリリングに描くべきだろう。色々と計画は立てていたし、犯行に使う火薬の入手の描写もしっかり時間をかけて描いていた。

しかし、銀行突入以降の力づくで金塊奪ってやりました!的な展開にはがっかり。
もうちょっと頭使おうよ。これなら計画いらなくね?

妻夫木やチャンミンを狙うグループ間の抗争とやらに引っ張られすぎたし、黒幕の存在を匂わせながら本筋には絡んでこないあたりが本当に時間の無駄。

あれもこれもと欲張った末にクライマックスが薄くなり、しかもぐちゃぐちゃと些事が混在してひどく不味い作品になっていた。

伏線を張って回収、とまでは言わないが、もう少しわかりやすく周辺環境を説明できたならそのぐちゃぐちゃ感は改善できたのだろうけど。

市井を描くのに理由はない、とはよく言ったものでそれは確かなんだけど、それにしてもシーンに整理整頓ができてないし、単にいい歳こいた大人の喧嘩シーンを描きたかっただけじゃない?って思う。

関西弁の桐谷健太や東方神起のチャンミンあたりはなかなかいい演技をしていただけに、もったいない。
逆にこのストーリーで何故ああなったのかがわからなかった。