13年の映画『真夏の方程式』を鑑賞。
西谷弘監督、フジテレビジョン製作、原作はおなじみ東野圭吾。
福山雅治が演じるガリレオ湯川シリーズで、相棒は吉高由里子になっている。
『真夏の方程式』のスタッフ、キャスト
監督:西谷弘
原作:東野圭吾
脚本:福田靖
湯川学:福山雅治
岸谷美砂:吉高由里子
草薙俊平:北村一輝
川畑成実:杏
柄崎恭平:山﨑光
川畑節子:風吹ジュン
川畑重治:前田吟
あらすじ紹介
子ども嫌いで有名な湯川が、10歳の少年・恭平と海辺の町で夏を過ごすことになり、事件に巻き込まれていく姿を描く。手つかずの美しい海が残る玻璃ヶ浦で海底資源の開発計画が持ち上がり、その説明会に招かれた湯川は、宿泊先の旅館「緑岩荘」でひとりの少年・恭平と出会う。やがて旅館の近くで男性の変死体が発見され、遺体の身元が「緑岩荘」に宿泊していた元捜査一課の刑事・塚原だということがわかる。地元警察は塚原の死を転落死として処理しようとするが、現地入りした捜査一課の岸谷美砂は、塚原の死に不可解な点があることに気づき、湯川に事件解決への協力を依頼する。
被疑者に感情移入させる巧みさ
個人的には吉高とのコンビの第二シリーズの方が好きなので、彼女の出番は少なかったが実に楽しく鑑賞できた。
さらに実質的な主人公の杏がまた上手い。
物分かりの良い人間の仮面を被りながら心の奥の不安や激情をひた隠すキャラクターを演じるのが実に上手である。
子役を演じたのは山﨑光くん。
多分初めて見た子だが、キャラもあいまって実に可愛らしい子供だった。
三浦誠己によく似ていると思ったのは僕だけかな…
ストーリーはというと『容疑者Xの献身』と同じく、被疑者に視聴者が感情移入するような状況が続く。
家族のつながりを描いた分、こちらの方が感情の鎖を揺らして、僕はポロポロと涙した。目の奥が熱くなり、勝手に涙がこぼれる感覚。
原作は読んでいないのだが『容疑者Xの献身』は映画より書籍の方が感動したこともあり、今度読んでみようと思う。
小説のガリレオシリーズは少し映像化を前提とし過ぎていて食傷気味だったけど、東野圭吾の描くやむを得ない人間の衝動と過ちと大切な人を思う心が重なり合った物語はやはり素敵である。
そしてそんな物語はやはり、東野圭吾の精緻かつ簡潔な文章で読むのがおもしろい。
正直なところ、湯川ガリレオで泣かされるとは思わなかった。驚いた。
余韻の残し方も良かったし、湯川先生がひとひらの情を見せたのもグッと来た。
いい映画に出会えました。