14年の映画『僕は友達が少ない』を鑑賞しました。
及川拓郎監督、出演は瀬戸康史と北乃きいら。原作は平坂読のライトノベル。
TBSテレビのアニメとして2011年から放送され、人気を博しました。
今回は原作、アニメとも未鑑賞の状態で映画を鑑賞しました。
『僕は友達が少ない』のスタッフ、キャスト
監督・脚本:及川拓郎
原案:平坂読
小鷹:瀬戸康史
夜空:北乃きい
星奈:大谷澪
幸村:高月彩良
理科:神定まお
小鳩:久保田紗友
マリア:山田萌々香
西園寺:栗原類
田中:渡辺大
柏崎天馬:石原良純
あらすじ紹介
聖クロニカ学園に通う高校2年生の羽瀬川小鷹は、金髪でハーフ、目つきが悪いといった外見からいじめられることもあり、いつもひとりで過ごしていた。ある日、同じく友だちがいないという風変わりな美少女・三日月夜空と知り合った小鷹は、「手っ取り早く友だちを作りたい」という夜空が立ち上げた、友だち作りのための部活動「隣人部」に強引に入部させられる。自分の世界を強固に持つゆえに孤立している個性的な生徒たちが加わり、隣人部は活気づいていくが、かねてから小鷹たちを快く思っていない生徒会長・西園寺の横暴により、廃部に追い込まれてしまい……。瀬戸康史が金髪に染め上げて小鷹を演じ、そんな小鷹を振り回す夜空には北乃きいが扮した。
以下、感想部分で作品のネタバレや展開に触れていきます。未見の方はご注意ください。
映画のネタバレ感想
ともだち募集を見つけて
主人公の小鷹(瀬戸)は高校二年生の金髪(地毛)少年。その風貌と目つきがゆえにこれまで友達ができたことがなかった。
クラスメイトの三日月夜空(北乃)もまた、教室では孤独を極めていた。
ある日放課後の教室でお互いの現況を告白し、夜空の強引な提案で「隣人部」という部活をつくることになった。
目的は、
と
も
だ
ち
募
集
である。
隣人部に最初にやってきた加入部員は市会議員の娘・星奈(大谷澪)。
成績優秀、スポーツ万能、顔つきも身体つきも良しとありながら、同性の怒りを買い、友達がいないと主張する。
夜空はそんな星奈をリア充と軽蔑し、また彼女のグラマラスな部分も相まってか入部を拒否するが、根負けして星奈は部員となる。
その後には(強そうな)小鷹を慕ってきた幸村(高月彩良)と小鷹に理科室で助けられた理科(神定まお)の一年生が相次ぎ入部。
談話室を部室として利用し、5人は放課後に「行く場所」を獲得した。
必死で演じる役者が良い
ストーリーは時間軸が微妙にごちゃついたものだったが、俳優陣の働きが素晴らしい。
瀬戸康史は目つきの悪さで誤解されがちな小鷹を上手く演じており、所々で口元を緩めてヘタレ感も醸し出していた。
夜空の北乃きいは男言葉と、言葉の節々にドヤドヤ感がにじみ出るのが良い。
(えっへん)という文字が彼女のセリフにはふさわしい。
そんな中で隣人部のみんなをカラオケに誘うさまはこの作品随一の萌えポイントだ。
星奈の大谷澪はお色気キャラクターとして身体を張り、幸村の高月彩良はメイド服を着る男子生徒役という役を頑張っていた。
はがない、柏崎星奈役の大谷澪さんのインタビュー中ショットです。星奈には共感できる部分も多いそうです!そんな大谷澪さんの星奈をぜひスクリーンでご覧下さい☆来年2月1日公開です。 pic.twitter.com/035usanN7N
— 映画「僕は友達が少ない」 (@haganai_movie) December 22, 2013
理科を演じた神定まおに至っては、セックスと口走るやら柱を股間に擦り付けるやらで特別ぶっ飛んでいる。
天才は才能と狂気の産物とは言うが、恥ずかしげもなく下ネタと喘ぎ声を連発する理科には特別賞を贈呈したいくらい。
そもそもキャラクターの前提として「友達が欲しい!」という学校生活における必死さみたいなものがあるわけで、そのキャラクターの熱量に負けじと役者も必死で役にぶつかっていたと思う。
こういう作品は好きだ。
居場所を求めて
孤独な生徒たちが、放課後の時間に足を運べる場を作る。
もちろん夜空は他人を救うための活動として隣人部を作ったわけではなかったが、結果的に部室は彼女たちのシェルターとなった。
ソファーやテレビを持参して秘密基地のようにカスタマイズした星奈はその筆頭だと思う。
また彼女のプレイするゲームやブランケット、理科の執着するBLなど細かいところまでオタク心をくすぐる描写があったのも見逃せない。
わかる人にはわかる。たぶん。
場所という観点ではパラレルワールドで小鷹や幸村、夜空の家がなくなっていたり、星奈の豪邸が見るも無残なものになっている形をとったのも必見。
最終的には部室も失う隣人部。
それでもなお彼らが繋がったのは絆なんて大層なものではなく、いつもの居場所の空気とちょっぴり不思議なバーチャル世界の共有体験。
それだけ。
恋愛も勧善懲悪も青春も介在しない不思議な映画だったけど、僕はこの作品が好きだ!
「僕は友達がいない」
ではなく
「少ない」と表現したところに原作者と映画製作陣の優しさを感じました。