映画『心が叫びたがってるんだ。』(実写)ネタバレ感想|芳根京子イコール成瀬

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こんにちは。織田(@eigakatsudou)です。

熊澤尚人監督の『心が叫びたがってるんだ。』を鑑賞。
15年に公開されたアニメーション作品の実写版だ。

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映画『心が叫びたがってるんだ。(アニメ版)』ネタバレ感想〜何回観ても泣ける〜

2019年10月12日

実写版では成瀬を芳根京子坂上を中島健人仁藤を石井杏奈田崎を寛一郎が演じている。

『ここさけ』のスタッフ、キャスト

監督:熊澤尚人
原作:超平和バスターズ
脚本:まなべゆきこ
坂上拓実:中島健人
成瀬順:芳根京子
仁藤菜月:石井杏奈
田崎大樹:寛一郎
成瀬泉:大塚寧々
三嶋樹:西山潤
山路一春:福山康平
相沢基紀:上川周作
岩木寿則:川村亮介
城嶋一基:荒川良々

あらすじ紹介

人との付き合いが下手で、本音で話すことができない高校3年生の坂上拓実(中島健人)。ある日彼は、全く接点のないクラスメートの成瀬順(芳根京子)と共に担任教師から地域ふれあい交流会の実行委員を任される。幼少時に発した言葉で家族をバラバラにさせたことから筆談でしか会話できない彼女に戸惑う中、拓実は地域向けの演目となるミュージカルの準備を進める。一方の順はミュージカルのヒロインに選ばれ、拓実にある言葉を掛けられたのを機に自分の思いを歌で伝えようと思い立つ。

出典:シネマトゥデイ

今回の記事ではアニメ版との比較で書いているため、ネタバレ多発です。
未見の方、ご了承ください。



ここさけ実写

アニメ劇場版の『ここさけ』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』のスタッフ・超平和バスターズが再結集して作られた作品。

『あの花』と同じ秩父を舞台に、言葉が出なくなってしまった主人公・成瀬順と彼女の周りの高校生たちを描いた青春群像劇になっている。

2年前に映画館で観たが、実に良かった。何度も泣いた。

※2019年に再鑑賞してレビューを書きました。よろしければご覧ください。

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映画『心が叫びたがってるんだ。(アニメ版)』ネタバレ感想〜何回観ても泣ける〜

2019年10月12日

実写化となりアニメーションの良さが損なわれる作品は多い。
アニメor漫画→実写という運びの作品に対してネガティブな意見が多いのはそういうことだろう。

しかし、本作『ここさけ』実写はアニメーション版と遜色がないほど素晴らしかった。

アニメ版を観て、どうせ実写化だからと思っている人は是非観に行ってほしい!!

また、アニメ版未見の方が観た場合にどのような印象を受けるのか、も是非聞いてみたい。

原作へのリスペクトがすごい!

この作品をアニメ版鑑賞者に深く突き刺したのは、一にも二にも原作へのリスペクトだと思う。

主要キャストの4人は忠実にアニメ版を再現。年齢も背格好も髪型も話し方も、うつむき方もポケットへの手の入れ方も。

中島健人の坂上はビジュアルがそっくりだし、芳根京子の成瀬は演技が本当に素晴らしい。

寛一郎の田崎と石井杏奈の仁藤はもう言うことなし。特に石井杏奈はおでこを出すと役相応に幼く見え、本心では何を思っているのか…とこちらに少し考えさせるような口元がとても魅力的だった。

キャストで言うと坂上のおばあちゃんも原作そっくり…!

アニメ版で順の声を演じた水瀬いのりさんが出演してるのも運命的だった。

何より、原作のアニメーションそのままの展開、構図。
こんなに踏襲していいの?ってくらいのレベルで、しかもそれはパクりとかではなくリスペクトあってこそのものだったと思う。

のっけから驚いた。
山の上のお城はもちろん、順の家、引っ越しのシーン、玉子を祀った神社。
全てがそのままで、カットの区切り方もかなり原作を意識しているように見えた。

アニメーションの表面にだけ実写のフィルムがかかったとでも表現すればいいのだろうか…
だからこの作品はアニメ版を観た層にはほとんど違和感がないだろうし、アニメ版を観ていない人はどう言う風に見えるのか興味深い。

西武鉄道に西武バス、あの橋。高校の制服やメッセージの吹き出しまで。

田崎役の寛一郎に拍手を

忠実に踏襲していく中で、玉子の部分をバッサリ削ったのも大正解。ファンタジー要素をなくしたことによって現実感が増し、実写でやることの意味が強まった。

アニメ版で観た時から好きだったけどやっぱり田崎は良いキャラだなあと思う。

典型的な敵から仲間に転じるキャラクターだけど、その転じ方もベタベタだけど、彼が成瀬にした謝罪で全てのベタベタが瓦解する。

彼の人間味をあぶり出すと言う意味では野球部の樹、山路もそうだし、シマッチョや仁藤もそう。

少しやさぐれている彼に対して怖がらず見下さず、単純に仲間として接していく。だから田崎は真っ直ぐに生きることができてすごく幸せだと思うし、彼の真っ直ぐさに突き動かされる周りもまた幸せだと思う。

キャラクター設定で言えば順の母親を演じた大塚寧々も抜群だった。
アニメ版では女手一つで順を育てるストレスや言葉の出ない順への不満がもっと描かれていたと思うが、それを削ってもなお滲み出る苦悩。

「順、友達がいたのね…」には泣いた。
最後のふれ交もそりゃあお母さん泣くよ。

公式サイトでは失恋の作品とうたっているけど、やっぱりこれは心の奥底から建前とか本音とか秘密とかをほじくり出してぶつけ合う作品だと思う。
もちろん坂上と仁藤の件を含めてこれは高校生の微妙な駆け引きを描いた作品ではあるんだけどね。第一義はそこじゃないと思う。

観てよかった。
何度も何度も泣いた。
アニメ版を観た人はぜひ!

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