映画『味園ユニバース』感想〜渋谷すばるの魂を聞け〜

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2015年公開の『味園ユニバース』を鑑賞。
大阪の千日前にある実在のユニバースが舞台。主演・渋谷すばる。山下敦弘監督。

あらすじ紹介

大阪のある広場で行われていたバンド「赤犬」のライブに、ひとりの男が乱入し、マイクを奪って歌い始める。その歌声に観客は圧倒され、「赤犬」マネージャーのカスミも興味を抱く。しかし、男は記憶喪失で歌うこと以外、何も覚えていなかった。カスミは男を「ポチ男」と名付け、赤犬のボーカルに迎えようとするが……。タイトルの「味園」は大阪・千日前に建つ、昭和の複合商業施設・味園ビルから。全編を大阪で撮影し、大阪を拠点とするバンド「赤犬」も本人役で出演している。

出典:映画.com

スタッフ、キャスト

監督 山下敦弘
脚本 菅野友恵
ポチ男 渋谷すばる
佐藤カスミ 二階堂ふみ
マキコ 鈴木紗理奈
タクヤ 川原克己
大森のり子 松岡依都美
大森利行 宇野祥平
ショウ 松澤匠



レトロな異国情緒

主演の渋谷すばるにアイドル色がなく、記憶が戻る前と戻った後の声色が違うのは良かった。

関ジャニ∞の渋谷というよりも、短髪のそこらへんのお兄ちゃんって感じ。

セピアがかった撮り方とか、携帯電話がほとんど出てこないこととか、二階堂ふみが着ているジャージが「RUNBIRD」だったりとか、時代設定が古いのかと思いきや2014年設定。

レトロな異国情緒溢れる作品になっている。

音楽が好きな人にとっては面白い作品かもしれない。
音楽スタジオの経営者という立場からバンド「赤犬」に協力するカスミ(二階堂ふみ)と、「赤犬」に見初められたポチ男こと渋谷すばる。

赤犬とポチ男にとって大事な歌も絞られていて、単に音楽やってます感をアピールする類の作品ではなかったと思う。

ただし、ストーリーとしては退屈で、ポチ男とカスミと赤犬のライブという3つの要素に予想以上のことは起きず。

ポチ男との距離感

そしてポチ男の過去の炙り出し方や記憶が戻ってからのストーリーが弱い。

ただ、これはポチ男を慮りカスミたち周囲が踏み込まなかったという捉え方もあるので、所詮他人という考え方ならわかる。

限定的なカスミの世界に突如現れた闖入者。

彼を適切な距離を置いた上でカスミは受け入れた。恋愛とか家族の絆とか、そういうのはなくて、なかば事務的に。だからポチ男。私の犬。

がゆえに、最後のカスミの笑った顔が引き立ったと思う。

面白いか面白くないかで言えば、正直そんなに面白くはない。かといって現実感もそんなにない。
終盤は色々と視聴者の想像に委ねるところも多い。周辺の環境は面白いだけに主人公が雑だったかな。

ちなみに『恋の渦』でユウタを演じた松澤匠が出演。
しかも思っていたより重要な役で嬉しい。

小物臭が漂うキャラクターではあったけどDQNユウタの時よりチャラかったです。