映画『同窓会』〜映画愛がひしひしと〜

2015年一発目の映画は08年の『同窓会』。主演は宅間孝行、監督・脚本も「サタケミキオ」名義で宅間が手がけた、彼の監督第一作である。

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勘違いからのミスリード

Wikipediaからストーリーの冒頭部分を転載する。人物名の()俳優名はこちらで補完した。

30代半ばを越え、ようやく運気が巡ってきた映画プロデューサーの南克之(宅間)。
新進女優と不倫をしている彼は、ある日高校時代からの初恋を実らせて見事ゴールインした妻の雪(永作博美)に離婚を切り出す。
あっさり承諾された南だったが、それを聞いた同級生の浪越文太(二階堂智)は、かつて親友の克之ならばと雪を諦めた過去があるだけに激怒する。

なお、映画の最初に、
勘違いは 人生最高の悲劇であり 喜劇である。
とのフレーズ。
登場人物の勘違いから膨らむミスリードを生かした作品であるが、とても洗練されていた。

作品で一番の勘違いは早々とわかってしまったが、それでも200パーセント楽しめる。

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(C)2008「同窓会」製作委員会

序盤のテンポの良い場面の切り替えで、映画の持つリズムに見るものを引き込む。

キャラクターは基本的に克之の同窓生が中心となるわけだが、誰?ってこちらが思う間も無く、高校時代の生活を描くことで人物への引き込まれ方もよく計算していた。

克之と雪と文太と中垣(伊藤高史)を中心とした日常のシーンは、そちらだけでもストーリーが作れるほど丁寧に作られていた。

少年少女時代を演じた雪の尾高杏奈、克之の兼子舜、文太の渡辺大、中垣の窪田正孝、また彼らの周りの友達であるえりの飛鳥凛、トネイチの秀平、政子の松永亜樹にも大きな賞賛を送りたい。美少女役であるのを含めても尾高さんは可愛かった……

伏線を張っては回収の連続

プロットは二転三転というよりも場面場面で面白いカットや演出を交えて笑いを誘いつつ、小さな伏線を張っては回収していく作業。

伏線を張り巡らして回収できなかったり、メインの謎が肥大化、あるいはつまらなくなってしまうことは往々にしてあるが、本作品では全く感じられなかった。

感覚でいうと『アフタースクール』『鍵泥棒のメソッド』などの転がされ方に少し似ているが、こちらのミスリードを誘発するというよりも製作者側の細かなストーリーが見る者の予想を超える感じ。

とても心地よい。

兵藤ゆきの番組ロケ(僕ら世代で言うと『学校へ行こう』の未成年の主張に近いかな)のシーンや克之の両親を演じる鶴瓶とうつみ宮土理なんて本当に面白い。

高校時代の克之が「見ているお客さんが腹の底から笑える映画作りたばい。それにラブストーリーば絡めるとよ。勘違いした主人公が、あたふたしながらも真実の愛ば必死に探していくとよ。笑うて泣けて、お客さんがあったかか気持ちになって」と夢を語るが、まさしくその通りの笑えてあったかい気持ちになれる映画で何度でも見直したくなる作品だと思う。

ちなみに出身が長崎の島原の設定なのでみんな九州方言だったが永作博美を除いてあまり上手くはなかった…
けど、そんなものはどうでもよくなるほど良い映画だった。

宅間孝行の映画に対する情熱がひしひしと感じられるプロット。たっぷりと人物を描いている割には尺も1時間45分程と長くなく、非常に濃厚である。

去年の年初めに見た『誰も知らない』も非常に良く、幸先の良い2014年となったなと思ったが、今年の一本目も最高だった!

★★★★★。言うことなし。

今年もつまらない感想文ですが、よろしくお願いします。

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