映画『DISTANCE』〜怖すぎる結末〜

是枝裕和監督の01年の映画『DISTANCE』を鑑賞。

『ワンダフルライフ』のARATA、伊勢谷友介、寺島進、『歩いても、歩いても』の夏川結衣が出演している。

『ワンダフルライフ』や『誰も知らない』もそうだったが、この作品も自然光による撮影が主で、前半部分は特に役者の顔が見えにくい。
手持ちカメラの振動も重なって、シーンを理解するのに時間がかかりそうである。

カルト教団(オウム真理教に影響を受けているのは明らか)の無差別殺人、そして実行犯の粛清から三年後の夏に、加害者遺族が集まって慰霊に訪れる1日を描く。

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ラストシーンは恐怖か美か

加害者遺族という立場の葛藤や無念、実行犯との思い出。取り調べの回想。
過去の映像を交えながら自身を、肉親のありし姿を告白していく様はとてもリアルだが、最後の最後に暴かれた一つの闖入者の存在により背筋に寒気が走った。

▲湖のほとりでたたずむ出演者たち (C)2001 『ディスタンス』製作委員会

ストーリーの多くは冗長といえば冗長なのかもしれない。アドリブを多用した緊張感と距離感のある会話はぎこちない。
しかし、一度クライマックスを知った状態で再び見てみると得体の知れない感覚に襲われる。

忽然と消えた車とバイク。
その謎が明かされることはない。
では、車を運転していたのは誰だったか。
不必要なほどの想像を掻き立てられた。

リアルな呼吸が息づく会話の中で妙に神秘的な瞬間がある。
その神秘は考えれば考えるほど奇妙であり、気味が悪くなってくる。

四人と一夜をともにした浅野忠信演じる元教団員が最後に発した「本当は、(あなたは)誰なんですか?」

ラストシーンの美しい炎が良いと言う人もいるだろう。
僕にとっては、狂気の炎でしかなかった。

ARATA
伊勢谷友介
寺島進
夏川結衣
浅野忠信
5人をよく観察して鑑賞していただきたい。

★★★★☆。

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