昨年の映画『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』を観賞。主演は大政絢と染谷将太。監督に新進女性監督の瀬田なつき。
電撃文庫から出ている入間人間のライトノベルが原作となっている。
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』のスタッフ、キャスト
監督・脚本:瀬田なつき
原作:入間人間
みーくん:染谷将太
まーちゃん:大政絢
父:鈴木卓爾
義母:山田キヌヲ
あらすじ紹介
10年前に起きた誘拐監禁事件の被害者、みーくん(染谷)とまーちゃん(大政)は、不穏な連続殺人事件が起きている街で再会を果たす。そんなある日、殺人事件を捜査している刑事が2人を疑って接触してくる。
息を吐くように「嘘だけど」
本作品の染谷将太の演技が高評価を受けたのは聞いていた。なるほど、これは確かに素晴らしい。林遣都に似たあどけない顔つきながら、飄々とした口調、そして独特のステップを見せる軽やかな足取り。
するするっという擬音で表現したくなる。
大政絢は初めてまともに見たが、加藤夏希と近い顔つき。
染谷ほど動きのあるシーンはないけど、大事なテーマである脆さを感じさせる。
演出に関しては、良い意味で裏切られた。
これまで角川映画にはあまりいい印象を持っていなかったけど、現在のシーンとフラッシュバックシーンの切り替えのタイミングや、声の重ね方、また小さな置き手紙や携帯の画面などの小さな文字を映す際もしっかり読めるくらいの長さ(時間)で残してくれる。これはなかなか優しい。
また、ネタバレになるけど人質から解放された子供が歩いていくシーンも、どことなく不自然なぎこちなさを残した歩き方でよかった。だってそうでしょう。手足を縛られて不自由な状態から、いきなりそれを外されてもバランス取れないでしょう。
ストーリーに関してはバックグラウンドを説明してくれないので自分で探っていくしかないけれど、一度観た後でもう一回復習として観たい作品。このあたりは『リリイ・シュシュのすべて』と似ている。
評価される理由がわかる、よく練られた作品でした。
電撃文庫の方も読んでみたい。