2018鑑賞記録から選ぶ映画10選

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こんにちは。織田(@eigakatsudou)です。

2018年は30本の映画を鑑賞しました。
過去4年に引き続き、個人的なランキング10傑を発表したいと思います。

年々鑑賞本数が少なくなっていて、もはやランキング化するのもおこがましいのは承知ですが、お付き合いいただけたら幸いです。

2017年の10選はこちら
2016年の10選はこちら
2015年の10選はこちら
2014年の10選はこちら

(作品名から記事リンクに飛びます)



ぼんぼばぼん!浜辺美波の百面相!

10位

2018年、月川翔監督、浜辺美波

浜辺美波が演じる佐丸のキャラが抜群。傍観して笑っていたはずなのに、いつの間にか頑張れ佐丸!になっていました。
先生役の竹内涼真のあまりにもロジカルすぎる考え方や、佐丸の親友役・アオちんを演じた川栄李奈の演技も見逃せません。

浜辺の変顔百面相を楽しむだけでも観る価値ありです。2018年で一番笑わせてもらったのはこの作品。

9位

1999年、滝田洋二郎監督、広末涼子

交通事故で亡くなった妻(岸本加世子)の魂が、生き残った娘(広末)に憑依。娘・藻奈美の父であり、妻・直子の旦那である平介(小林薫)がその二面性に苛まれるというお話です。要は、広末涼子が母と自分と一人二役。予想以上に上手でした。

人格の入れ替わりというのは『君の名は。』などいくつかの作品を観てきましたが、この映画は一人の身体に二人の魂が宿ることになります。藻奈美の肉体は当然きつくなる一方で、直子がこの世にまだ精神的に残っているという事実が平介の心の痛みを少しだけ和らげます。

映画の根幹に流れる「愛」から逸脱せず、それでいてどんでん返しを仕掛ける丁寧な脚本に拍手。
20年前の映画ですが、これは観てよかった。

8位

2018年、矢嶋哲生監督、松本梨香。

2017年の『キミにきめた!』では、ノスタルジーが琴線に触れて号泣しました。
一方で今回の『みんなの物語』は、とにかくストーリーが良いんですよね。

世の中には、仕方なくつかなければいけない嘘や、自分や誰かを守るための誤魔化し、言い訳というものが存在します。それはとっても人間的な営みで自然なこと。本作のキャラクターもそうでした。そこにただ一人、嘘を絶対につかないでまっすぐ進み続けるサトシ。
サトシに引っ張られて、各々が自分に素直になっていく過程がたまらなく美しいです。「みんな」の意味をしっかりと理解して作られた映画。

7位

2018年、小泉徳宏監督、広瀬すず。

『上の句』『下の句』で確立された瑞沢かるた部の決定版。高校3年生となった彼らなりの悩み、成長が等身大で描かれていました。いわゆる完結編としてのスケールの大きさもさることながら、主人公の一人である太一(野村周平)の葛藤にフォーカスしたところが素晴らしすぎます。

また、広瀬すずが若手女優から日本を代表する女優になったんだなといよいよ感じさせる風格を漂わせていたのも見逃せません。『上の句』から一気に3作品続けざまに観ましたが、瑞沢高校の素敵な部員たちに出会うことができて本当に良かったと思えました。

綾瀬はるかと「色」を探そう

6位

2002年、曽利文彦監督、窪塚洋介。

日本の卓球界を変えた映画。昔観たことがありましたが、久しぶりにじっくり鑑賞してみると良さがビンビン伝わってきました。
主人公のペコ(窪塚)とスマイル(ARATA)の対照的なキャラクターが、スポーツ作品としての完成度の高さを引き立たせます。競技への熱量と才能は必ずしも一致しないこと。個人競技がゆえに勝敗で人物間の序列が明らかになってしまうこと。
時に残酷な現実を描いた2時間は、スポーツをやっていた人ならば誰しもが感じた壁や悔しさを映し出しました。

才能やセンスになぜ人は嫉妬するのか。その答えがここにあります。サム・リーが演じた中国人留学生・孔のキャラクターも魅力的でした。

5位

2018年、武内英樹監督、綾瀬はるか。

時は昭和中期。映画監督を志す一人の青年の元に、銀幕からモノクロ姿のおてんば姫が飛び出してきます。
お姫様を演じたのは綾瀬はるか。異質な存在としての綾瀬のポテンシャルは『僕の彼女はサイボーグ』を彷彿とさせました。

綾瀬がモノクロ世界からやってきたという設定を活かすため、この作品は「色」に特化して様々な仕掛けを施しています。装飾や格好をつけるという意味で「色をつける」という言葉が日本にはありますが、有色という概念がどれだけ素晴らしく幸せなものかを教えてくれる作品でもありました。

二つの時間軸を利用しながら、在りし日の映画界隈の紹介も丁寧。現代のシーンでは看護師(石橋杏奈)がストーリーテラーの老人(加藤剛)に素直な感想をぶつけて我々の代弁者となってくれるところも見どころです。終盤でボロ泣き。

4位

2018年、上田慎一郎監督、濱津雅之。

2018年を代表する作品となった映画。
僕は8月初旬に観ましたが、正直なところ、あと1カ月早く鑑賞していたら1位にしていたかもしれません。2016年の1位に推した『君の名は。』は、公開して間もなく最初の鑑賞に訪れました。爆発的なブームになる前に、評判が一般化される前に、自分なりの感想や答えをある程度固めることができました。

お客さんが笑うポイントも何パターンも用意していて、カメ止めはよく計算された上手な映画だと思います。映画を撮るという一見業界内っぽい作業を通して、老若男女に「あるある」の追体験を提供。何かを作り上げることの難しさや喜びも表現しています。

僕が鑑賞した時は、もうすでに「これは絶対観るべきだ」という熱のこもったレビューが散乱していました。仕掛けが素晴らしいからこそ、流行る前に観ておきたかったというのが正直なところ。

人情たっぷり!是枝作品と若おかみ

トップ3の発表の前に、圏外の良作を紹介します。計3作品。

2015年、是枝裕和監督、綾瀬はるか。

綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの4姉妹をフィーチャーしながらも、女子会チックな雰囲気に終わらせなかったのは是枝監督だからこそ為せるところ。次女の長澤まさみの描き方が秀逸です。

男だ女だという概念以上に、綺麗に前向きに進んでいった物語が好印象でした。

2018年、是枝裕和監督、安藤サクラ。

刺激的なタイトルとは対照的に、下町のとある一家の現実を描いた作品です。
『誰も知らない』『そして父になる』『歩いても 歩いても』など是枝監督の過去の作品から続く“内側からの視点”も交えて社会的なテーマを描くという点では、集大成といってもいいでしょう。

子役の城桧吏くんがとってもとっても可愛くてはまってしまいました。この作品に感情移入をするとすれば、彼に対してでしょう。
一番難しい役柄と思われる亜紀を演じきった松岡茉優にも拍手を。そして樹木希林さんに、黙祷を。

2018年、高坂希太郎監督、小林星蘭。

「私にだけ見える誰か」と一緒に日常を過ごし、その不思議な魔法が解けるまでを描いた良作。
また、主人公のおっことやり合うライバル・真月の描写が素晴らしいです。

好敵手とぶつかる勇気、認め合う勇気、一歩踏み出す勇気。旅館の若女将を必死に頑張る小学生たちの成長物語として、ぜひ上の世代にも観てもらいたい映画でした。
個人的には、ヒカルの碁にも似ていると思います。

それでは、トップ3の発表です。



これぞ青春映画の金字塔

3位

2017年、大九明子監督、松岡茉優。

松岡茉優が演じる主人公のこじらせ女子・ヨシカ。一見謙虚に聞こえる自分語りと妄想も、そこには不憫な自分への自己陶酔と臆病さがあふれ出ています。10位に挙げた『センセイ君主』の佐丸とはまた違い、妄想を体言化せずに自分に向かって発露するキャラクターになっています。

自分の得意分野に関してはペラペラと言葉を並び立てる様はまさにオタク。危うさと面倒くささと卑屈さと純粋さを併せもった不安定な女性を演じきった松岡茉優に感嘆しました。
『君の膵臓をたべたい』で好演した北村匠海の「キミ」呼びも必見です!

2位

2017年、入江悠監督、藤原竜也。

時効を迎えた連続考察事件の犯人として、曾根崎(藤原竜也)という男が暴露本を出版。刺激的なプロモーションで、犯罪者でありながら一般大衆に崇められるという構図は、同じく藤原が出演した『デスノート』のキラを思わせます。作品のキーポイントにもなっていた『顔を出す、出さない』においてもデスノートと上手なコントラストに。狙っていたのかはわかりませんが。

SNSの上手な描写、『デスノート』や『藁の楯』でも犯人役を演じた藤原竜也の演技など色々語るべきところは多いですが、とにかくストーリーが秀逸です。
サスペンスとしてはこれまで観た映画の中でも最上級。ぜひ、入江監督の手のひらの上で転がされる快感を味わってみてください。

1位

2016年、小泉徳宏監督、広瀬すず。

上映当初は観ておらず、完結編『結び』の前に下の句と合わせてイッキ見しました。3作とも素晴らしかったですが、個人的に一番突き刺さったのは本作。
競技かるたの解説。
五・七・五・七・七に込められた歌の意味の解説。
何よりも、瑞沢高校かるた部のキャラクターが素敵すぎます。

競技かるた部は確かに文化部ですが、そこにも勝ち負けが存在します。才能の有無が存在します。
悔しさにまみれ、時に投げ出し、それでも成長することを信じて部員たちは練習に取り組んでいきました。
彼らの高校生活をずっと見ていたい、それくらいまでに引き込まれた青春の王道作品。本当にお見事でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2019年も、皆さんにとって良い年になりますように。

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