先日観た岩井俊二監督の『undo』。
豊川悦司、山口智子、田口トモロヲの3人だけでほぼ構成された。
尺は45分くらいの短めな映画。
あらすじ紹介
夫ユキオの仕事が忙しくなるにつれ、モエミは身の回りのものを縛らずにはいられなくなっていく。とうとう彼女は、自分自身を縛ってくれとユキオに頼むのだった。主演は山口智子、豊川悦司。また、モエミを強迫性緊迫症候群と診断するセラピストを田口トモロヲが演じる。
スタッフ、キャスト
監督 | 岩井俊二 |
モエミ | 山口智子 |
ユキオ | 豊川悦司 |
セラピスト | 田口トモロヲ |
緊縛
『リリイ・シュシュのすべて』は2回観たけど結局よくわからなかった。
なので貧しい感性の僕は岩井作品を視覚的に感じようと決めて鑑賞した。
ストーリーはカップルの関係が縛られているのかほどけているのかというだけの話。
紐や糸や髪の毛といったもので「縛る」という概念を表現している。
物語に込められた意味はやはり深読みできなかったので、とにかく映像を愛でる作品だった。僕にとっては。
映像というより連続した美しい写真といったほうがいいのかな。美術部と写真部の合同展示会みたいな感じ。
上に貼った画像のシーンは、周りを下校する子供の群れも美しいし、住宅街の坂でキスをする二人も美しいし、二人の白と黒のリンクコーデも美しい。
これでもか!ってくらいにカットやライティングはかなり主張してくるのでそれに辟易する人はダメかもしれない。
でも94年に公開された映画ということを考えれば、この色彩感覚と映像でお金をとるという気概は凄いんじゃないかな。
一番好きだったのは壁際に立つ山口智子がフェードアウトしていき、佇むトヨエツに少しずつ変わっていくシーン。
綺麗だった。
あと、亀が好きな人は見ない方がいいかもしれないです。