こんにちは。織田です。
2021年は新作・旧作合わせて98本の映画を鑑賞しました。
そのうち2021年に公開された中から、個人的なランキング10傑を発表したいと思います。
前年までとは異なり、今年は2021年公開映画に絞ってみました。
お付き合いいただけたら幸いです。
2020年の10選はこちら
2019年の10選はこちら
2018年の10選はこちら
2017年の10選はこちら
2016年の10選はこちら
2015年の10選はこちら
2014年の10選はこちら
配信で鑑賞できる作品もありますので、よろしければご覧になってみてください。
今年鑑賞した旧作映画のランキングは、最後にまとめました。
10位〜7位
2021年、横浜聡子監督、駒井蓮
津軽三味線×津軽弁×メイドカフェのコラボレーション。津軽弁ネイティブの駒井蓮さんの起用は、圧倒的奇跡です。もはや奇跡としか言いようがない…!!
ご当地映画なんてカテゴリーでは言い表せない、最強の青森映画の爆誕です!
2021年、吉田恵輔監督、古田新太
みんなそれぞれが正しいと思って動いているのに、その「正しさ」は他の誰かにとっては決して「正しく」なんかなくて。やりきれない。やるせない。
じゃあどうすればいいのだろう?と答えの出ない、暗闇しか待っていない明日へ向かって過ごすような人たちの映画でした。重い。重いけど、ぜひその重さを感じてほしい素晴らしい映画です。
2021年、三木孝浩監督、山﨑賢人
ポスターには「1995年の僕と2025年の僕で、絶対に、君を救う」という主人公の言葉が刻まれています。
これはロバート・A・ハインライン氏の原作も読んだんですが、映画は「絶対に君を救う」に向かって上手に物語を加速させていったのが素晴らしいと思いました。私の中では圧倒的に映画>原作です。
山﨑賢人さんの主人公もそうだけど、三木監督は登場人物を透明度の高いものにするのが本当に上手いなと。だから純粋が嘘つかないんですよね。
2021年、吉浦康裕監督、土屋太鳳
「サトミ!いま、幸せ?」
突拍子もない行動を繰り広げる転校生シオン。その裏側にある行動原理の理由を知った時、もう涙が止まりませんでした。
タイトルにあるように「歌声」も映画に大きな意味を持ってきます。個人的には『君の名は。』や、『心が叫びたがってるんだ。』を観た時の衝撃に近いものがありました。
結局4回劇場で観たので、2021年で一番多く観た作品になります。
6位〜4位
2021年、土井裕泰監督、有村架純 / 菅田将暉
文学、映画、音楽などのカルチャーシーンからサッカー、グルメに至るまで固有名詞を散りばめて共感スイッチへいざなう序盤。ニワカじゃないガチ勢としての喜び、プライドを会話に滲ませる有村架純と菅田将暉。こんだけ語れたら人生さぞ楽しかろう!
とか思いながら油断してたらですね、過去の遍歴をズコンバコンにぶん殴られました。
しんどいですよ。しんどいですけど、この作品は恋愛映画のファイナルアンサーだとも思います。
破局経験がある方にはかなり来るものがあるのではないでしょうか…
2021年、永井聡監督、菅田将暉
この映画はスリラーの類だと思うんですが、悪役がきっちり悪くて怖いです。マジで怖いです。
TOHOシネマズの最後列でヒイッと情けない呻き声を漏らしたくらいには怖いです(迷惑)(すみませんでした)
背中を撫で続ける容赦ない緊迫と不穏。
タイトル通り登場人物=キャラクターの使い方が最高でした。戦慄という単語がふさわしい超傑作だと思います。
2021年、前田弘二監督、成田凌 / 清原果耶
前田監督と脚本の高田亮さんがタッグを組んだ『婚前特急』大好きおじさんなので期待値上げて行きましたけどね、あっさり超えてきましたね。ツボ刺さりまくって悶絶しました。何この人たち、すごい言う。笑
形式上4位にしましたが、Filmarksでは5.0をつけています。実質同率1位。
この作品の清原果耶さんは2021年日本映画のMVPだと思っています!
いろんな人に勧められる素晴らしい作品。Netflixにも入ってるので会員の方はぜひどうぞ!(2021年12月現在)
圏外の傑作も紹介させてください
ベスト10からは外れたものの、強烈な印象を受けた作品もご紹介します。どれも大好きな映画です。
2021年、今泉力哉監督、若葉竜也
下北沢が舞台だけど、下北に馴染みがない人も自分の周りに置き換えられる映画だと思います。
主人公の半径数メートルを彩る女の子たちが、みーーーんなめっちゃ素敵。目で追いかけてしまうほどには素敵。特に中田青渚さん。
そして、そんな彼女たちを引き立たせる若葉竜也さんと今泉力哉監督の魔法。
2021年、永岡智佳監督、高山みなみ
オ●ンピックを模したイベントが舞台となっていて、(公開当時の)世相に即したアイロニカルな描写が印象的でした。
ここ数年愚鈍な感じだったコナンくんがめっちゃ躍動してるんですが、それを可能にしているのが哀ちゃんの存在。そこかしこに漂う名バディ感がたまらなく、何度も鳥肌が立った。灰原映画としては史上最高級だと思います。
2021年、首藤凜監督、山田杏奈
観賞後に原作小説を読んだんですけど、一人称描写の小説を読むとさらに映画版の主人公の凄みが爆上がりしました。
映画鑑賞とセットで読むのまじでおすすめします。凄いですよこれ実写化したのは。
その瞳に宿るのは打算なのか敵意なのか不満なのか屈辱なのか失望なのか。
多くを語らずして心情を表現する山田杏奈さんの表情には、是非ミリ単位で注目してほしいと思います!
それではトップ3の発表に移ります。
3位〜1位
2021年、児山隆監督、石川瑠華 / 金子大地
6位に挙げた『花束みたいな恋をした』も相当ダメージの残る映画でしたが、それ以上にやられました。
思い出したくなかった奥底の本性をエグられ続けました。観ながら何度も吐きそうになりました。思い当たる節がありすぎて。もはや、あるあるとかじゃないです。君たちはあの頃の俺たちか、とすら思う。やば過ぎ。
2021年、春本雄二郎監督、瀧内公美
ジャーナリスト界隈の話のように聞こえるんですが、私たちの日常にもガツンと落とし込むことができる映画です。要は凄く普遍的なんですよね。
タイトル「由宇子の天秤」やキャッチコピーの「正しさとは、何なのか?」はもちろん、タイトル変更前の仮題だった「嘘に灯して」もこの上なくハマっている作品だと思います。
めちゃめちゃ良かったです!ぜひ観てガツンと衝撃受けて頂きたいです。
2021年、岨手由貴子監督、門脇麦 / 水原希子
2021年鑑賞作品でナンバーワンは『あのこは貴族』です。
違う階層に生きる人たちを描きながらも、そこに分断や対立なんていうものはなく、優しく、そして公平に心に染み渡っていく映画です。
原作小説も読んだんですが、映画版はさらに公平さとか敵意みたいなのが削がれていたと思います。東京映画としても史上最高。
どこに生きていたって、楽しいことも苦しいこともある。
映画を観るあなたを認めてくれる、そんな優しい作品です。いろんな人に観てもらいたいな。
2021年公開作品の映画では他にもネタバレありで感想を書いています。
鑑賞した旧作のベスト10
2021年に鑑賞した旧作もベスト10を発表します。
配信で鑑賞できる作品もありますので、よろしければご覧になってみてください。
10位:孤狼の血
2018年、白石和彌監督、役所広司
欲望と覚悟がどろどろと絡み合う濃厚な2時間。やっぱり白石監督の描く、悪い奴らな映画は面白いです。
9位:ガンバレとかうるせぇ
2019年、佐藤快磨監督、堀春菜
菜津と同じマネージャーの立場だった人にはもちろん、選手側でマネージャーと接していた方々には是非観てほしい作品です。
いま高校サッカー選手権の時期だからなおさら。
『佐々木、イン、マイマイン』の佐々木役だった細川岳さんがキャプテン役で出演。
8位:ヒメアノ〜ル
2016年、吉田恵輔監督、森田剛
この映画は会話のキャッチボールができない人が多すぎる。その中でも特にやばいのが一人。
キャッチボールが暴投にとかそんなレベルじゃなく、マジでルールからして違う。映画観ながらやべぇわこいつの連呼。
胸糞大傑作です!笑
7位:orange
2015年、橋本光二郎監督、土屋太鳳
長野県の松本を舞台にしたキラキラ映画なのですが、不思議な世界線を軸に、とても見応えがあります。
特に僕は「友情」の文脈でガチ泣きしました。大切な友達がいる方は是非観てほしいです。
6位:見えない目撃者
2019年、森淳一監督、吉岡里帆
観る側に休む間を与えず、終始スリリングな展開が続いて面白いです!2時間が駆け抜けていきます。
色々な面で容赦がないので、グロが苦手な人は気をつけてください。
5位:Red
2020年、三島有紀子監督、夏帆
島本理生さんの原作小説とは確かに結構違うんですが、俳優が動く映画ならではの魅力がありました。“目で語る”夏帆さんの凄さよ。
三者三様の男たちも個性がしっかりと立っていて良いです。
特に柄本佑さんの色気は必見。あれはもう色気としか言いようがないです。
4位:名前
2018年、戸田彬弘監督、駒井蓮
必見のおじさん映画です。『いとみち』の駒井蓮さんが出演。
色んなサイトの「あらすじ」にネタバレポイントが含まれちゃってるので、観ようと思っている人は事前知識ゼロで観た方がいいと思います!
掘り出し物と言っては失礼なんですが、凄く面白かった!
3位:志乃ちゃんは自分の名前が言えない
2018年、湯浅弘章監督、南沙良
“みんなと同じ”のレベルに届かない何かのコンプレックスを持っていたり、そのコンプレックスは、どのように他者によってえぐられていくのかだったり。
この映画の主人公は「うまく喋れない子」なわけですけど、うまく字が書けない、とか、運動ができない、とか、
誰もがどこかに持っている“みんなと同じ”じゃない部分で感じる痛みを丁寧に描き出し、その痛みや恐怖心に向き合わせてくれる素晴らしい映画でした。
原作漫画も合わせて読みましたが、実写化の大成功作品だと思います。
2位:町田くんの世界
2019年、石井裕也監督、細田佳央太
純度100%の善意で構成され、give&giveを貫く「劇的にいい人」な町田くん。そんな彼が無差別に振り撒く施しは、時に残酷に映ります。
登場人物たち(特に女子)の掛け合いがお見事で最初の1時間はずっと笑っていた気がします。
たくさん笑って、たくさん愛でることができる優しい作品。
鑑賞しながら思わず「町田ァ…!」と声に出してしまうのではないでしょうか?
1位:ひとよ
2019年、白石和彌監督、佐藤健
この映画では様々な側面からの「家族」が映し出されています。家族とは何なのか。家族だから何なのか。家族じゃないから何なのか。
圧倒的なクオリティの俳優陣の中で、長女を演じた松岡茉優さんの言葉はマジでどこまでが台本なのかわからないレベルです。
(頻繁に更新してますけど)史上最高の松岡茉優がまた更新されました。
最後になりましたが、今年もTwitter、Filmarks、Instagramなどでたくさん素敵な映画を教えていただけた一年でした。いつもありがとうございます。
2022年もどうぞよろしくお願いします!