こんにちは。織田です。
2020年は80本の映画を鑑賞しました。
今年も個人的なランキング10傑を発表したいと思います。
旧作を合わせたものなので例年と同じく2020年の映画限定ではないのですが、お付き合いいただけたら幸いです。
2019年の10選はこちら
2018年の10選はこちら
2017年の10選はこちら
2016年の10選はこちら
2015年の10選はこちら
2014年の10選はこちら
配信で鑑賞できる作品もありますので、よろしければご覧になってみてください。
2020年公開の作品で鑑賞した映画は、最後にまとめました。
雪景色を染める赤の衝撃
2017年、イ・ゲビョク監督、ユ・ヘジン
人生の成功者である殺し屋がひょんなことから記憶を失い、人生の落伍者と入れ替わりの人生を生きていく物語。
『鍵泥棒のメソッド』を原案としながらも、また別のアプローチで楽しめる爽快なストーリーです。
オリジナル版よりもわかりやすい一直線なラブコメで、主人公のユ・へジンの冒険譚が楽しめる作品でした!
U-NEXT
2020年、時川英之監督、加藤雅也
ストリップを題材とした映画ということで結構身構えていたんですが、取り越し苦労でした。
全てが美しく愛おしく、幻想的で時々切ない。ヒロインを演じる岡村いずみの圧倒的な女神ぶりも必見です。
「そこには何かいやらしいものがあると思ったが、そうではなかった」
本当これです。きっとストリップへの見方が変わる傑作。
U-NEXT
2017年、内藤瑛亮監督、山田杏奈
これは大好きな作品だったんですけど、残虐でグロテスクでもあります。R15+作品です。
本当に容赦なく痛いです。痛いのが嫌いな人は絶対に見ないほうがいいと思う。
雪景色の中で行われる復讐劇は痛々しいものばかりです。「白」、「赤」という色の持つ意味と鮮やかなコントラストにも注目。
どうか覚悟のできた方に、ご覧になってほしい映画。
Amazonプライム・ビデオ
Netflix
cU-NEXT
平成後期を映し出す青春傑作
2020年、大森立嗣監督、芦田愛菜
芦田愛菜が主演を務めた『星の子』です。
私の両親は新興宗教の敬虔な信者でした、それが周りにもたらす影響ってどういうものがあるんでしょうね?っていう話。
新興宗教をテーマにした作品ではありますが、決して宗教を忌避したり、警戒感を助長するようなものではないと思います。一方で肯定するわけでもありません。
自分だったらどの立場になるか?が結構分かれてきそうな作品。
2017年、耶雲哉治監督、清水富美加
原作が秋吉理香子のイヤミスで、舞台は「ごきげんよう」の挨拶がかわされるお嬢様学校。
そこで学園の人気者であり、文学サークルの部長を務めていた女子生徒が突如自殺してしまいました。
複数の人間が一つの事象に対して証言をとっていく形で物語は進み、観ている方も一緒になって謎解きを楽しめる作品です。男子禁制、優雅なティータイム、ロウソクを灯して行われる証言の数々。おすすめです!!
2020年、行定勲監督、山﨑賢人
この主人公・永田というのは、どうしようもなくクズ男なんですよ。好きか嫌いでいえば確実に嫌いです。
でも、マジで理解したくも共感したくもないんですが、残念ながら永田の脆さというかダサさがわかってしまう自分もいました。
共感性羞恥を刺激する、しんどい映画。もう一度観ろと言われたら本当にきつい。
2018年、藤井道人監督、真野恵里菜
1990年生まれの世代を主人公に描いてる映画なんですが、ぶっ刺さりましたね…。
いろんなキーワードや歴史的出来事を引き合いに出しながら、平成後期を生きる若者を描いていく。映画の中には、必ず自分も通ってきた景色があるはずです。
現実という名の、大人の階段の上り方。その一歩一歩に宿る取捨選択。高校生の時に描いていた夢や希望が、大人になる過程ですり減らされていく。
高校生の頃が自分の一番輝いている時だった、という人にもおすすめです。
オタク讃歌とコスプレ家族写真
ベスト10からは外れたものの、強烈な印象を受けた作品もご紹介します。どれも大好きな映画です。
2020年、英勉監督、高杉真宙
上司(小木博明)の無茶振りをきっかけに、建設会社の広報グループが「マジンガーZの格納庫」を建設見積もりを本気で検討していく作品です。
圧倒的な熱と愛とオタク特有の早口によって周りが巻き込まれていく熱さは必見。
これだからオタクは…これだからオタクは強いんだよなぁ…と納得してしまいました。「好きじゃないこと」が「自分ごと」になっていく経験をしたことがあるあなた、ぜひ!
2020年、平沼紀久監督、吉野北人
BL(ボーイズラブ)が好きな腐女子・花依(富田望生)が、ある日突然激ヤセして別人に?!
そんな主人公にイケメン4人衆がアプローチをかけてくるものの、花依はついついBL目線で彼らを見てしまいます。
この映画はなかなか侮れませんよ。オタバレ、推しとの別れ、妄想、カップリング。オタクが味わう至福のとき、時にやってくる絶望を丁寧に描きつつも、こちらの予想を斜め上に超えてくる展開がたまりませんでした。ハマる人にはがっつりハマるはず!
2020年、中野量太監督、二宮和也
写真が大好きな次男坊・政志(二宮和也)は家族を巻き込んで、コスプレ家族写真を撮ることに。そのユニークさが受けて政志は写真家として地位を確立していきましたが、ある日を境にシャッターを切ることができなくなってしまいました。
2020年に観た映画で一番泣いたのが『浅田家!』です。驚くくらい泣きました。
後半は容赦ない衝動が次々と胸の奥を殴り続けてきました。ずっと泣いてた気がする。
二宮和也という冠を全く感じさせなかった二宮さんの自然な演技も見どころ。
それではトップ3の発表に移ります。
この時代に問われる正義
2016年、白石和彌監督、綾野剛
ミイラ取りがミイラになるという言葉がありますが、検挙実績を上げるために悪さに手を染めていく主人公の警官や、警察内部の闇を描いた、とにかく「悪い」作品でした。
その中でも主人公の綾野剛がどんどん悪くなっていきます。中盤以降、語尾は「お前」か「この野郎」のどっちか。まじで。言葉遣いが荒い人間の極めて自然な対話方式です。素晴らしすぎます。
悪をもって悪を制する形の作品ですが、とっても面白かった。2020年に鑑賞した旧作では一番です。
2020年、天野千尋監督、篠原ゆき子
隣人の騒音トラブルをテーマに描かれた傑作です!
悪いのはそっちでしょ、あんたの個人的な事情なんて知らねえよ、の連続なわけですが、これは誰もの身にも起こり得る超普遍的なテーマでした。
興味ある方は、事前情報入れずに観てください!衝撃がすごい!価値観がぐらっぐらに揺らぎました。
2020年、内藤瑛亮監督、上村侑
実在の少年犯罪事件をモチーフにしている問題作です。
不条理にも“許された”子供たちの前に待ち受ける、世間からの壮絶なネットリンチ。子供だけではなく、親もそうです。
「正義感」とか「悪」とか「信じること」とか「糾弾」とか。
映画を観る側は唯一「真実」を知ることのできる立場ではあるんですが、この映画は観る側にいじめやバッシングの「傍観者」であることを許してくれません。
とてつもない後悔や嫌悪に駆られる人もいるかもしれません。でも僕は2020年ベストの作品に『許された子どもたち』を挙げたいと思います。
2020年公開作品のベスト10
2020年の新作映画ベスト10はTwitterで発表しました。
①許された子どもたち
②ミセス・ノイズィ
③劇場
④星の子
⑤前田建設ファンタジー営業部
⑥彼女は夢で踊る
⑦浅田家!
⑧私がモテてどうすんだ
⑨青くて痛くて脆い
⑩君が世界のはじまり pic.twitter.com/ofBbVfMfgo— 織田@映画用 (@eigakatsudou) December 27, 2020
2020年公開で鑑賞した作品は以下の通りです。
鑑賞して気になる作品がありましたら、感想記事を読んでいただけると嬉しいです。
(作品名から感想の記事リンクに飛びます)
『ラストレター』
『前田建設ファンタジー営業部』
『AI崩壊』
『ジュディ 虹の彼方に』
『初恋』
『許された子どもたち』
『マザー』
『アルプススタンドのはしの方』
『私がモテてどうすんだ』
『劇場』
『思い、思われ、ふり、ふられ』
『事故物件 恐い間取り』
『青くて痛くて脆い』
『宇宙でいちばんあかるい屋根』
『君が世界のはじまり』
『窮鼠はチーズの夢を見る』
『人数の町』
『星の子』
『浅田家!』
『彼女は夢で踊る』
『空に住む』
『朝が来る』
『キーパー ある兵士の奇跡』
『泣く子はいねぇが』
『きみの瞳が問いかけている』
『水上のフライト』
『10万分の1』
『アンダードッグ 前・後編』
『私をくいとめて』
『ミセス・ノイズィ』
『生きちゃった』
『佐々木、イン、マイマイン』
配信で鑑賞できる作品もありますので、よろしければご覧になってみてください。
今年もTwitter、Filmarksなどでたくさん素敵な映画を教えていただけた一年でした。いつもありがとうございます。
2021年もどうぞよろしくお願いします!